派遣社員として勤務していた会社を退職する際、退職メールを送ることが一般的です。
しかし、いざ退職メールを送付しようと思っても悩みは出てくるものです。
退職メール以外に何かやっておくことはある?
働いている期間が短いけど、それでも必要なのかな?
私自身、12年の派遣営業を経験しています。そして、何名もの派遣社員から退職メールを受け取っています。
やはり、メールはないよりはあったほうが嬉しいものです。
その中でも、このメールは嬉しいと思ったものもありますので、実例を交えて解説致します。
この記事を読むことで、退職時のトラブルやミスを防止でき、円満退職になることでしょう。
まだ、次の仕事が決まっていない場合は、下記の派遣会社がおすすめです。
そもそも派遣社員は退職のメールを送付するべきなのか?
派遣社員は退職のメールを送るべきです。
理由は以下の通りです。
- 簡潔な文でも送ることで、受け取る側からは好感度が上がる
- 今後どこかの職場で会う可能性がある
- 最終日はやることが少ない
退職の連絡をしっかりとすることで、職場や取引先との関係を円滑にすることができます。
また、送った側にとっても、メール返信が来ることにより、気分が上がります。
2018年に日本派遣協会が実施した「派遣労働者意識調査」では、派遣社員のうち退職の連絡をしていない人が32.6%で、約3人に1人がメールや電話での退職連絡を行っていないことがわかりました。
逆に言うと、メールや電話で退職メールをする方は3人に2人います。
退職の連絡をした人のうち約8割が電話またはメールで連絡を行っています。
簡潔な文でも構いませんが、送った側にとっても、受け取る側にとっても、円滑な関係を築くために必要でしょう。
退職メールの例文4つ(社外・派遣先・派遣会社・お世話になった方)
下記4つの例文です。
退職メールを作成する際の参考にしてみてください。
①社外向け例文
件名:退職のご挨拶(株式会社ぱぱ ぱぱだんご)
〇〇株式会社
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社ぱぱのぱぱだんごと申します。
このたび私事で恐縮ですが、〇月〇日をもって退職することとなりました。
直接お伝えすることができず、メールでのご挨拶となりますことをお詫び申し上げます。
〇〇様には、いつもお世話になり、ご指導いただきましたことを心より感謝しております。
私の後任は、「ままだんご」と申します。以下の通りご連絡先をお知らせいたします。
名前:ままだんご メールアドレス:mamadango@×××.co.jp
今後とも、引き続きお力添えいただけると幸いです。
貴社の一層のご発展と、〇〇様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
この度は、長らくありがとうございました。
②派遣先向け例文
件名:【退職のご挨拶】○○部 ぱぱだんご
○○部の皆様
お疲れ様です。○○部で勤務しておりましたぱぱだんごと申します。
この度、契約満了に伴い、本日をもちまして退職することになりました。
在籍中は、皆様から多くのご指導やご支援をいただき、大変勉強になりました。 また、楽しく仕事ができたことも心から感謝しております。 私自身も皆様と一緒に働けたことを誇りに思っています。
今後は別の道へ進むことになりますが、今まで培った経験やスキルを活かして頑張っていきたいと思います。 皆様もどうかお体に気をつけて、ご活躍されることを心よりお祈り申し上げます。
最後になりましたが、本当にありがとうございました。 今後もどうぞよろしくお願い致します。
③派遣会社向け例文
件名:退職のご挨拶 ぱぱだんご
〇〇さん
この度は数ヶ月間にわたり、弊社の派遣社員として勤務させていただき、誠にありがとうございました。
ご指導いただきましたおかげで、多くのことを学び成長できたことは、私にとって大変光栄であり、心より感謝しております。
また、退職の申し出をした際、非常に伝えにくかったことを覚えています。
それも、〇〇さんが契約期間中、親身に話を聞いてくれたおかげです。
今後も、私自身がより一層成長し、社会に貢献できるよう、努力を続けてまいります。
ご多忙の中、最後までご支援いただき、誠にありがとうございました。
④お世話になった方向け例文
件名:【退職のご挨拶】○○部 ぱぱだんご
●●様
お疲れ様です。○○部で派遣社員として勤務しておりましたぱぱだんごと申します。 この度、契約満了に伴い、本日をもちまして退職することになりました。
在籍中は、●●様から多くのご指導やご支援をいただき、大変助かりました。 特に〇〇プロジェクトでは、●●様の的確なアドバイスや励ましのおかげで乗り切ることができました。 私自身も●●様から多くのことを学ばせていただきました。
今後は別の道へ進むことになりますが、今まで培った経験やスキルを活かして頑張っていきたいと思います。 ●●様もどうかお体に気をつけて、ご活躍されることを心よりお祈り申し上げます。
最後になりましたが、本当にありがとうございました。 今後もどうぞよろしくお願い致します。
退職メールのポイント
退職メールを送る際、以下のポイントを抑えておきましょう。
- 送付先は主に4か所ある
- 送付する際のマナーを守る
それぞれ解説します。
送付先は主に4か所ある
退職メールは、以下の方に送付するといいでしょう。
- 派遣先企業の上司や同僚、関係各所
- 社外の取引先
- 派遣営業
- 特にお世話になった人
それぞれの送付先によって、送り方は変わります。
派遣先企業の上司や同僚
派遣先企業の上司や同僚には必ず退職の挨拶をするべきです。
社会人としてのマナーとビジネスマナーの基本です。
退職の挨拶をしないことで、長い間の協力関係や信頼関係が揺らぐことにもなりかねます。
そのため、派遣先企業で働く期間が長ければ長いほど、仕事上の人間関係ができあがっていくこともあるでしょう。
派遣先企業での勤務期間が長かった場合、上司や同僚とは仕事だけでなくプライベートでも交流がある関係になっていることもあります。
退職の挨拶をすることで、上司や同僚との関係を円滑に保つことができます。
社外の取引先
派遣先企業と取引先の関係性を今後も良好に保つためにも、退職メールの送付は重要です。
取引先企業へは、派遣社員としてではなく、派遣先企業の一員としてメールを送付します。
取引先には2週間ほど前には送付しますので、返信が返ってくることがあります。
- 取引先として長期間お世話になった会社に対して、退職の報告と感謝の気持ちを込めたメールを送ったところ、「また機会があれば一緒に仕事したい」という返信をいただきました。
- 取引先企業に対して感謝の気持ちを込めたメールを送ったところ、企業の担当者から「あなたがいなくなったら不安だよ」といわれ、優越感に浸れた。
私自身退職後のスタッフにも連絡がすることがありますが、実例としてこのような声も聴きます。
派遣営業に向けて
忘れがちですが、是非とも派遣営業にもメール送付をお願いします。
派遣営業に退職のメールをしておくことにより、その派遣会社に戻りやすい環境を作っておくことができるためです。
今後仕事をしていく中で、いつ何時何が起こるかはわかりません。
最後まで丁寧に派遣営業に連絡をしてくれたら、必ず派遣営業はそのことを覚えています。
いつでもその派遣会社に戻れることは安心感にもつながりますからね。
特にお世話になった人
退職メールを送付する相手には、特にお世話になった人も含まれます。
例えば、派遣先企業で直接指導してくれた上司や、同僚から教えてもらったことが多かった方です。
お世話になった方には、個別にメールを送ることが多いですね。
お世話になった人に送付する退職メールは、具体的なエピソードや思い出を織り交ぜてメールを送付します。
時にはかなり長い文章になりがちですが、思いが一杯あるということで全く問題ありません。
送付する際のマナーを守る
送付する際のマナーは下記を守るといいでしょう。
- 送付先に間違いがないか
- 宛先はToではなくBCCで送付する
- 丁寧な文章を心がける
- 件名はわかりやすいものにしておく
退職メールは、社内に送るメールと取引先に送るメールでは、書く文章や内容も変わります。
そのため、取引先は取引先。社内は社内とメールを作り分ける必要があります。
相手に感謝の意を示すため、メールは敬語を使いましょう。
退職メールの注意点
退職メールを送る際の注意点は下記の通りです。
- メールを送るタイミング
- 取引先への退職メールは上司の許可があってから伝えること
- 送信先は「Bcc」に入れて送信する
- プライベートのメールアドレスから送信しないようにしましょう
ひとつひとつ解説します。
メールを送るタイミング
退職メールを送るタイミングは下記の通りです。
- 取引先企業:2退職の週間前
- 社内(派遣先企業):最終出勤日の昼から退社時までの間
退社ギリギリに送ってしまうと、退職メールが退社後に開封される可能性があります。
退職メールを送る前に、最終出勤日の午前中に引継ぎや片付けなどの準備をすることで、スムーズな退社ができます。
また、昼休み中に退職メールを作成して送付することもできます。
最終日までバリバリ仕事をしていることはなかなかないですからね。
取引先への退職メールは上司の許可があってから伝えること
取引先への退職メールを送信する際は、必ず上司の許可を得てから伝えましょう。
取引先へ伝えるタイミングは上司が判断します。
万が一、上司が把握していない状況で退職を伝えることで、引き継ぎや手続きがスムーズに進まず、トラブルの原因になることもあります。
リスクを避けるためにも、必ず上司の許可を得てから伝えるといいでしょう。
送信先は「Bcc」に入れて送信する
退職メールを派遣先企業や取引先などの関係先に送信する場合、送付先には「Bcc」に入れましょう。
「Bcc」とは、メールアドレスを非公開にしてメールを送信する機能で、本来の受信者以外に送信先を知らせずにメールを送信することができるものです。
この方法で送ることで、メールアドレスを保護し、プライバシーを守ることができます。
また、不特定多数の人に送信する場合は、CC(Carbon Copy)にも入れずに「Bcc」で送付することがマナーとされています。
「To」は自分自身のアドレスを入れてくださいね。
プライベートのメールアドレスから送信しないようにしましょう
プライベートのメールアドレスから退職の連絡を送信してはいけません。
退職後にもメールが来たり、仕事の引継ぎ不足の確認をされたりするためです。
また、仕事で使用しているメールアドレスから、仕事に関係すること以外の内容を送信することはマナー違反とされます。
退職メールを送信する場合は、派遣先企業で使用しているメールアドレスを使用するようにしましょう。
業務に関係のないアドレスからメールが来たら、迷惑メールかな?って思ってしましますからね。
退職メールの文章構成
文章焼成は下記の手順で作成します。
会社名→部署→氏名を書く
新しいことにチャレンジします等
今までのエピソードを織り交ぜる
最後の一言(ほぼテンプレート)
名前(冒頭分)
- 会社名(取引先に送付する場合のみ)
- 部署
- 氏名
この3点を冒頭につけましょう。
〇〇株式会社
〇〇事業部
ぱぱだんご
このようなイメージです。
部署記載することで、相手に自分の名前や顔を再度思い出してもらえます。
また、派遣の場合、長期間同じ場所で働いているわけではないため、部署から思い出してもらうことも出来ます。
退職日と未来への抱負
自己紹介を書いたら退職日と退職理由を書きましょう。
退職日と退職の理由を明確に伝えることがポイントです。
退職理由は本当の理由を書いたらネガティブになる理由をもあるかと思いますので、読み手がポジティブに感じる理由を簡潔に伝えるといいですね。
例えば、理由は下記が無難です。
- 新しいことにチャレンジするため
- やりたいことを実現するため
- 家業を継ぐ
業務に関係のないアドレスからメールが来たら、迷惑メールかな?って思ってしましますからね。
お世話になったお礼
次に、今までお世話になった方々への感謝の気持ちやお礼の言葉を伝えましょう。
- 入社から今までのエピソードを話しする
- 困難があった時に助けてくれたお礼をする
- サポートがあったからここまで頑張れた
具体的にどのようなことに感謝しているのか、どのようなことが自分にとって良い経験になったかなど、具体的な内容を書くといいですね。
いきなり文章を書いても手が止まりますので、まずは箇条書きで書き出して、その後に文章を書くとスラスラ書けたりします。
締めくくり挨拶
結びの挨拶は、退職メールの中で最後に書く大切な部分です。
ここで丁寧な挨拶をすることで、最後まで良い印象を残すことができます。
挨拶の内容はシンプルであっても、謙虚で誠実な言葉を選びましょう。
例えば以下の文章が使われます。
- 最後になりますが、これまでのご指導とご支援に心から感謝申し上げます。引き続き、貴社のご発展をお祈り申し上げます。
- このたびは、お世話になりました。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
- 以上で退職に関する報告とさせていただきます。大変お世話になりました。引き続き、ご健勝とご活躍をお祈りいたします。
結びの挨拶は、最後の印象を左右する重要な要素です。
謙虚で誠実な言葉を選び、敬語を使ってしっかりと文章を仕上げることが大切です。
メール以外にやっておくべきことは?
貸与品の返却を忘れないこと
退職する際は、派遣先企業から貸与された機器や備品などを返却することが大切です。
派遣先企業が派遣社員に貸与する機器や備品には、重要な情報が保存されていたりします。
返却することで、会社から解放されることになり、気持ち的にも解放されますね。
貸与品としてパソコンや業務端末、制服や名刺などを貸し出していることがしていることがあります。
しっかりと担当上司や担当者に返却していきましょう。
返却漏れがあると、退職メールを送付したあとに会社に行き返却しないと行けなくなり、若干気まずくなります。
2度目のお世話になりましたの挨拶が発生しますからね。
担当者と抜け漏れがないように確認しながら返却していきましょう。
引継ぎの準備をしておこう
すでに事前の引継ぎは完了していると思います。
あとは、引継ぎ相手に今まで使っていた資料を渡したり、何かトラブルがあった場合の連絡先を状況に応じて渡しておくといいでしょう。
通常、引継ぎで行うことは下記の4つです。
まだ完了していない場合は、サクッとやってしまうといいですね。
- 業務の概要:担当していた業務の概要をまとめ。
- マニュアルの作成:業務の詳細な手順をまとめ。
- 顧客情報の共有:顧客情報や営業活動の詳細を共有。
- その他の情報:業務に関連するその他の情報をまとめ。例えば、業務に必要なツールやソフトウェア、会議のスケジュールなど。
引継ぎを完了させることも仕事の一つと思いますので、最後まで手を抜くことなくやっていきましょう。
派遣会社の退職手続き
派遣契約が終了した場合でも、派遣会社の退職手続きが可能です。退職手続きを行うことで、以下のことができます。
- 離職票の発行:失業手当の申請や次の就職先に提出
- 源泉徴収票の発行:年末調整に利用
- 社会保険喪失証明書の発行:国民保険に切り替える場合に必要
派遣営業から必ず退職に関する連絡がありますので、指示に従って手続きを完了してください。
また、現在はネット上でも手続きが可能な会社もあります。
退職手続き自体は数分で完了できますが、それでも退職に関する疑問や不安がある場合には、派遣会社に相談することをおすすめします。
ちなみに、派遣社員の場合は、退職届を提出する必要はありません。
よくある質問
ここからは、退職メールに関するよくある質問を6つお伝えします。
- お礼の品は配ったほうがいいの?
- 1週間前に退職メールを送付したあと、最終日にも送付するべきか?
- 勤務期間が3か月以内ですが、それでも送るべきですか?
- 最終日の朝礼で退職挨拶はなんて言えばいいのか?
- 退職時の挨拶をしない方法はありますか?
- 退職の挨拶はいつ言いますか?
まとめ
この記事では派遣社員の退職メールの書き方や注意点について解説しました。
退職メールを送ることで、後々に影響があることがあるため、送らないよりも送ったほうがいいですね。
この記事での重要なポイントは下記のとおりです。
- 派遣社員は短い文でも必ず退職メールを送ること
- 送付先は、派遣先企業の上司や同僚、社外の取引先、派遣営業に向けて、特にお世話になった人など
- 退職メールの文章構成は、自己紹介、退職日と退職理由、感謝の気持ちやお礼の言葉、結びの挨拶、最後に一言
- 退職に伴っては、貸与品の返却や引継ぎの準備が必要
- 派遣会社に対しての退職手続きも重要である。
次の職場でも是非とも頑張ってくださいね。
まずは、今の職場での勤務、本当にお疲れさまでした。