派遣社員が知っておきたい有給休暇のこと。使い方と、使わせてもらえない時の対処法

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現在派遣社員として勤務している方で、このような経験はありませんか?

「恋人と久しぶりに休みを合わせるために有給申請したら断られた!?」
「派遣社員って有給に対して厳しくない?」
「退職の時、是が非でも有給を使わせないとしてくる」

派遣社員が派遣会社に抱く不満は大きく3つ

よくある不満
  1. 営業担当が連絡繋がらない
  2. 給料が安い
  3. 有給を自由に使わせてくれない

今回はこの有給について、派遣会社はどうして有給を拒みたくなるのかを解説し、使わせてもらえない時の対処法を伝授いたします。

結論から言うと、有給は使えます。

しかし、会社によって規定も異なりますので、お気をつけください。

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この記事で有給マスターになって、派遣営業担当よりも詳しくなりましょう。

それでは解説していきます。

〜 Contents 〜

派遣社員は有給とれる!でも2つのポイントが必要

有給は問題なく所得することが出来ますが、派遣会社に所属している以上以下2つは守るようにしていきましょう。

守る2つのこと

  • 1ヶ月前に有給を申請する
  • 配属された会社に有給利用を伝えておく

1.1ヶ月前に有給を申請する

少なくとも1ヶ月前には有給の申請をしなければならないことです。

理由は以下の通りです。

1ヶ月前に申請しておく理由
  • 派遣先企業からの契約終了を阻止するため
  • 派遣元会社が売上や利益を予測したいから

派遣社員は「派遣元会社」「派遣先企業」「派遣社員」の3者が契約書上で成り立っています。

元々月20日勤務で働いていた人が、仮に有給を10日間利用した場合、契約書の出勤日数とは大きくずれることになりますよね。

この大きなずれから派遣先企業から派遣元会社に「人を変えてくれ」と連絡が入ったりします。
また派遣元会社は売上や利益を管理していかないと会社運営ができません。

有給休暇は派遣先企業からはもちろんお金は入りません。
そのうえで派遣社員へ給料を支払うのは派遣元会社です。

派遣会社は大赤字になる可能性があるんですね。

会社経営のために事前に予測しておきたいという派遣元会社の心境もあります。
しかし大抵の場合は1か月前までに派遣会社に共有をしておけば問題ありません。

2.配属された会社に有給利用を伝えておく

派遣先企業にもきちんと伝えておくことが大切です。

理由は以下の2点です。

派遣先にも伝えておく理由
  • 派遣元会社の営業が派遣先に伝えない可能性がある
  • 結局運営しているのは派遣先企業だから

よく派遣元会社に有給を申請したけど、派遣先企業に伝わっていないことは多々あります。

本来は派遣元会社から有給を伝えるのが筋なんですけどね…

また多くの派遣元会社は「派遣先のOKがでたら良いよ」と回答してきます。
事前に派遣先企業に許可をとってしまうと楽でしょう。

派遣社員だからといって、有給休暇が取れないわけではありません。
1ヶ月前に有給休暇を申請し、派遣先とその情報を共有していれば問題ありません。

ただし、会社によっては有給休暇の取得に独自の規定がある場合もあるので、事前に問い合わせるようにしましょう。

有給を取るルールを知り、それを守れば問題ないでしょう。

有給付与日数と付与要件

出典:厚生労働省HP

ここからは有給の付与日数と付与条件に付いて解説します。

付与日数

図(1-1)にあるように、有給休暇は入社半年後に最初の10日間があたります。
その後、1年ごとに順次日数が加算されていく。

例えば、12月16日に入社すると、半年後の6月16日に10日間の休暇が取れることになります。

同様に、図(1-2)は、週4日以下かつ1週間30時間以下の勤務、パートタイム労働者の有給休暇取得日数を示したものである。
この付与日数は、派遣会社から提示される「雇用契約書」の出勤日数の欄に記載されていますので、見ていただくとわかりやすいですね。

雇用契約書が送付されていない方は、派遣元会社に依頼して、貰ってくださいね。

必ず雇用契約書はお渡しする決まりになっていますので。

付与要件

付与されるまでの期間の8割を勤務した人に限られるため、欠勤が多い人は対象外となる可能性があります。

この8割は若干あやふやなところがあります。

派遣社員はシフト制の派遣先企業もあり、出勤日数が派遣先企業によって異なるからです。

欠勤を何回したのかを一つ一つ算出している企業は少ないでしょう。
だいたい8割以上と覚えておけば問題ありません。

有給休暇について派遣社員が知っておくべきこと

有給について知っておくべきことが3つあります。

知っておくべきこと3つ

  1. 派遣労働者の権利
  2. 法改正による5日の有給休暇取得義務化、派遣社員はどうなる?
  3. 会社側の特権「時季変更権」

それぞれ解説します。

1.有給は派遣労働者の権利

有給休暇は、派遣労働者の権利です。

従来の労働法では、派遣労働者は病気休暇、休日休暇、年次有給休暇などの有給休暇を取得することができませんでした。
しかし、労働法改正により、派遣社員にも有給休暇を取得する権利が与えられるようになりました。

その結果、派遣社員は有給休暇を取得する上で、正社員と同じ権利を持つようになったんです。

ぱぱだんご

昔は専門スキルを短期間に貸出する事が前提だったから、休みの概念は無かったんだよね。

さらに、派遣労働者は、正社員と同じ有給休暇の給付を受けることができます。

休暇の長さは勤務条件によって変わりますが、一般的に割り当てられる有給休暇の量は、正社員と同じになります。
また、派遣元会社は有給休暇は、従業員の給与明細やタイムシートに記入する必要があります。

2.法改正で5日間の有給休暇取得が義務付けられたけど、派遣社員はどうなるのでしょうか?

派遣社員も正社員同様に、必ず5日の有給を使わなければなりません。

有給休暇の消化日は有給が発生した日から1年以内に5日を使い切らなければなりません。
例えば、2022年12月16日に有給が10日間発生した場合、「2023年12月16日まで」に使い切らないといけないです。

しかし、有給休暇の管理方法については法律で規定されておらず、各企業が自由に管理できるようになっています。
漏れたら大変なのに、漏れる仕組みになってしまってるんですね。

参考までに

年5日の有給利用はパートタイマーでも適用するのか?という質問もあります。

答えは、適用できません。

年10日以上の有給が発生する方のみ対象です。

3.会社の特権「時季変更権」

この時季変更権は知っておいて損のない内容です。

派遣会社はこの時季変更権を使って有給を阻止しようとしてきます。
時季変更権は、派遣社員が有給休暇の申請を行ったのに対して、派遣会社から有給利用日の変更を求めることができる権利です。

労働基準法第39条5項にこんなことが書かれているんです。
「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」

この「時季変更権」と「有給は働く人の権利」は常にバトルし合っているんです。

今でもたびたび論争が起きます。

時季変更権に関する主な質問

派遣社員が退職する月に時期変更権はつかえないのか?

使えません。
変更する時期がないからです。

繁忙期に会社は時季変更権は使えるか?

使えます。

例えば、接客業の場合、お客様にサービスを提供する必要があるため、この時期に派遣社員が有給休暇を取得することがあります。

セール時期なんかは、有給がとりにくいですね。
そもそもこの時期に有給をとる場合は、時季変更権を使う前に、現場での調整が必要になりますからね。

有給休暇の取得を拒否された場合の対処法

有給の取得を拒否された場合は以下の3つを検討してみてください。

拒否された場合の3つの対処法
  1. 拒否された内容を必ず確認すること
  2. 派遣元会社の苦情申し出先に連絡
  3. 労働基準監督署へ相談
拒否された内容を必ず確認すること

拒否されたとしても、内容はさまざまです。

例えば、雇用主や派遣元が判断を下すために、説明や追加情報を求めている可能性もあります。
必ず雇用主や派遣元に連絡を取り、理由を明確にするようにしましょう。

納得がいかない場合、派遣元会社の苦情申し出先に連絡

労働組合がある場合はそれでもいいでしょう。
時季変更権以外に有給を拒むことはできません。
強気の態度で電話していきましょう。

労働基準監督署へ相談

派遣会社とトラブルがあった場合は「労基に連絡します」
これは本当に使える魔法の言葉です。

有給を拒む場合は、派遣会社のわがままから拒んでいることが多くあります。

労基に「わがままは関係ない」です。

コロッと態度を変える営業担当は多いので、どうしても有給を使いたい場合は使ってみるといいです。

派遣会社はどうして有給を使わせたくないのか

有給を是が非でも使いたいと考えるのであれば、派遣会社がどうして有給を使ってほしくないのかを知ることは効果的です。

派遣会社は以下3つの理由から使ってほしくないんですね。

派遣会社が思う有給を使ってほしくない3つの理由

  1. 派遣会社の利益がなくなるから
  2. クライアントとの契約に齟齬(相違)が生じる
  3. スタッフの入れ替えや代替スタッフを要求されるから

1.派遣会社の利益がなくなるから

有給を使うと、派遣会社の利益が大きく損なわれるからです。

派遣会社は派遣社員を雇用して顧客企業の仕事をすることで儲けが出ています。
派遣社員が働いた給料から手数料を差し引いているんですね。

有給を使った場合は、勤務していないので派遣会社の自腹です。
入ってくるお金は何一つありません。

2.クライアントとの契約に齟齬(そご)が生じる。

派遣会社の商品=「人」です。

商品のスペックや機能、言い換えるとスキルや勤務条件
これで納得してもらって購入してもらっているのに、途中で仕様変更したらお客様はおこりますよね。

有給休暇は派遣先企業には関係ありません。

もし、サービス(人材)の提供ができない場合、派遣会社は派遣先と契約条件の再交渉を行い、迷惑をかけたことを謝罪しなければならない場合があります。

場合によっては、派遣会社は派遣先から手数料を請求される可能性があります。

このような危険性があるため、派遣会社は基本的に有給を使ってほしくないんですね。

3.スタッフの入れ替えや代替スタッフを要求されるから

有給を使った社員の代わりを探す可能性があるから嫌なんです。

何度も言いますが、派遣先企業に有給は関係ありません。「有給=欠勤」です。

本来は仕事を回すために派遣社員を雇っているのに、欠勤してしまった場合は仕事が回らなくなりますね。
だから派遣元会社に代替スタッフを要求してくることがあるんです。

1か月前にわかっていたら、派遣会社も代替スタッフを準備する期間も出ますからね。
なので有給はわかった段階で早めに伝えるといいでしょう。

有給でよくある質問

ここからは有給利用する際によくある2つの質問を共有します。

派遣先が変わっても有給は残るのか?

派遣元会社が変わらなければ残ります。

もう少し詳しく解説します。

派遣先会社との雇用契約が終了してから30日以内に、同じ派遣元会社から紹介された仕事に就けば、有給は消滅しません。
有給残日数も継続されますので安心してください。

ただし、別の派遣会社に転職した場合、残りの有給休暇は無効となりますので、ご注意ください。

新しい派遣先を獲得するために同じ派遣会社を利用した場合でも、1ヶ月と1日以上の中断があった場合は、有給休暇は失効となります。

有給休暇を事後に使用することはできますか?

可能です。

正社員でも有給は締め日までに申請すればOKだからです。

ただ、派遣会社によっては有給の事後申請は嫌がります。
会社ごとにルールを設けていることもありますので確認しておきましょう。

有給申請が遅れるパターンは、緊急事態や不測の事態により、休まなければならない状況に陥るときです。

このような場合、勤めている会社の方針によっては、有給休暇を事後に取得することができる場合があります。
また少し別の話になりますが、身内に不幸があった場合、有給で処理しなくても「慶弔休暇」で申請できる派遣会社もあります。
いずれにしても派遣会社の営業にコンタクトをとっておくことが最善策ということです。

3行でまとめ

いかがでしたでしょうか。

有給は権利です。正しい使い方をすることで必ず使うことが出来ます。

この記事の3行まとめ
  • 有給は1ヶ月前に申告しておけばOK
  • 万が一拒否されて納得行かなかったら関係各所に相談してみよう
  • 有給拒否は大抵派遣会社のエゴ

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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