派遣社員として勤務していると、ふと「明日から行きたくない」と思うことがあります。
一般的には決められた契約は守りましょうと言われていますが、期間を守れても、自分の精神状態が守れないと思うこともあるでしょう。
いざ、明日から行かないと決めた場合に、このような悩みは出てきませんか?
明日から行かない方法と段取りを教えてほしい

明日から行かなかったとしても損害賠償問題にはならない?

事前に心構えておいたほうがいいことはある?

明日から行かなくても、特に問題はありません。
しかし、行かなかった場合、何が起こるのかを事前に知っておくことで心の準備ができることでしょう。
私自身12年の派遣営業をしている中で、突然来なくなった方の対応も数え切れないほどしてきました。
最初は、「こんなに突然来なくなる人は多いんだ」とビックリしましたが、もう慣れてしまっています。
そんな派遣営業目線から、明日から行かない方法と、その後何が起こるのかを解説できればと思います。
簡単に自己紹介

この記事では下記の点を解説します。
- 明日から行かないときにやってはいけないこと
- 明日から行かないための段取りを解説
- 公式に即日退職が認められるパターン
- 仕事に行かなかった後、何が起こるのか?
- 損害賠償の有無、リアルなバックレ率など、豆知識を解説

この記事を読むことで、明日から行かないための全体像が分かり、実施までのハードルを下げられるでしょう。
ご存じの通り、基本的には契約期間満了が大切なので、明日から行かないことは奥の手と認識してください。
もし、明日から行かないことを実行する場合は、早い段階で次の仕事を見つけておく必要があります。
派遣先企業が問題であれば、派遣会社を変えることも一つの手です。
以下がおすすめの派遣会社です。
明日から行かなくても問題なし

派遣社員であっても、正社員であっても明日から行かなくても、問題ありません。
理由は以下の通りです。
- 明日から行かなかったとしても、現場はちゃんと回るためです。
- 緊急対応は派遣会社、派遣先にて対応をするためです。
- そのまま働き続けて、心身疲労の状態で転職活動は絶対にうまくいかないためです。
明日から行きたくないと思う場合は、多くの場合は仕事で一人前になる前に思うことが多いです。
主要業務を担当するのではなく、派遣先企業のサポートをする状態であれば、その仕事は依頼主が対応することができます。
社員の残業や休日出勤が増えるだけです。
また、あなたが明日から行かないことは、派遣会社にとっては一種のトラブルです。
派遣先企業とトラブルが発生した場合は、派遣会社が対処することになります。
あなたが派遣先企業とトラブルになったらどうしようと考えるのは、問題の区分けが出来ていないということです。
次の転職活動をする際、心身疲れた状態で転職活動をしたらうまくいくものもうまくいきません。
だからこそ、身体を壊す前に「行かない」という選択肢は必要になるでしょう。
でも世間からは、そんな考え甘すぎるっていう声もあるよね


確かにそういった声も多数あります。しかし、同じ問題でも大きさは個人によって違います。
「一般的にはこうしたほうがいい」という一般論よりも、個人の気持ちを大切にするべきだと私は考えています。
明日から行かない場合にやってはいけないこと

以下の3つは、やりがちな行動ですが、避けましょう。
- バックレること
- 派遣会社との連絡を遮断すること
- 突発的な感情に流されること
これらの行動は後で問題があなたに返ってきますので注意が必要です。
それぞれ解説します。
バックレると倍返しで返ってくる
バックレることは避けるようにしましょう。
バックレると以下のような問題が起こる可能性があります。
- 緊急連絡先に連絡がいく
- 家まで派遣営業が押しかけてくる
- 離職票の発行の際に連絡が必要となるため、気まずい思いをすることになる
もし明日から行きたくないと思った場合、最初に思い浮かぶのはバックレです。
しかし、バックレることで派遣営業に「何かあったのではないか」と疑われ、場合によっては警察を呼ばれる可能性もあるため、注意が必要です。
あなたの思いが伝えておかないと、勝手に話が進んでしまうことがあります。
そのため、事前に「もう行きたくありません」という旨をメールで伝えることが重要です。

理由も添えることで、相手に理解してもらいやすくなります。
派遣会社との連絡を遮断すること
1つ目の方法と似ていますが、必ず派遣会社とは連絡を取り合いましょう。
もちろん、派遣会社からは「出勤して頑張ってね」と言われるかもしれませんが、断固として断っても構いません。
派遣会社に連絡しておけば、派遣先企業にも連絡してもらえます。
もし、派遣会社との連絡が遮断されると、派遣先企業からあなたに連絡が入ってくる可能性があります。
連絡を遮断すると、対応先が1か所から2か所に変わることになります。
場合によっては緊急連絡先からの連絡も入るので3箇所に増えるでしょう。
私自身も派遣営業をしている中で、全力で出勤してほしいと即すものの、大抵の方は出勤できずに終わっています。
派遣営業側も、「あなたの意思が固いから無理だな」と気づいています。
派遣会社側には面白くない内容かもしれませんが、派遣会社とさえ連絡が取れていれば、派遣会社が何とかしてくれます。

場合によっては、次の仕事先を見つけてくれることもあります。
突発的な感情で決めること
突発的な感情に流されて次の出勤をしなかった場合、下記3点の後悔が待っています。
- 就職活動での後悔
- 生活面での後悔
- 自己評価の後悔
それぞれ簡単にお伝えすると以下の通りです。
就職活動での後悔
突発的な退職は、再就職活動をする際に不利になることがあります。
就職市場は常に変動しており、好条件の求人があったとしても、月の途中で退職していることから、企業側から不信感を持たれ、採用を見送られることがあります。
また急いで就職活動をしていくため、よく選ばずに決まったところに入社した結果、前職よりも酷い職場環境だった事例もあります。
生活面での後悔
突発的な退職で失業期間が長引くと、生活費が不足する可能性があります。
給与を失うことで、住宅ローンやクレジットカードの支払いなどが滞り、後々の返済に影響が出ることがあります。
また、突発的な退職になるため、退職理由も基本的には自己都合退職となり、失業給付はもらえたとしても3か月後からになります。
自己評価の後悔
退職理由が突発的な感情である場合、自己評価が下がることがあります。
生きていく中で、後悔として心に残り続けます。そして思い出したくない過去になってくるでしょう。

10年後、「あの判断は正しかったのか」と振り返ったときに、正しいと言える判断をするといいですね。
明日から行かないための段取り

ここでは、明日から行かないための段取りとして、以下のSTEPごとに解説していきます。
それぞれのSTEPにおいて重要なポイントを解説していきます。
STEP1.前日の準備
前日までの準備のチェック項目は以下の通りです。
- 職場に自分の私物を残していないかを確認する。
- 突発的な感情に流されていないかを確認する。
- 次の仕事先の目星をつけておく。
- 派遣営業に「もう行けません」とメールまたは電話する。
前日までの準備は上記が大切です。
職場に私物がある場合は、後で取りに行かなければならず、非常に気まずくなることがあるため、注意が必要です。
この中では特に、最後に派遣営業に伝えることがハードルが高いでしょう。
派遣営業へ伝える際のポイントをお伝えします。
- 結局派遣営業から電話が来るから、メールでも電話でもどちらでもいいです。
- 上手く伝えられたら「派遣先が変更できる確率がUP」です。
- 上手く伝えられなくても退職できます。
上手に伝えるコツは下記の記事で解説しています。

しかし、事前準備は全くできていない前提で解説しますと、うまく伝えられない可能性が高いです。
コツとしては「絶対に意思をぶらさないこと」です。
派遣営業は必ず止めてきます。そうしないと派遣先企業から激しく詰められるためです。
その際、派遣営業から「賠償金」などの言葉が出てきたら驚かれるかもしれませんが、賠償金は発生しませんのでご安心ください。
派遣営業は情に訴えてきたり、給料交渉で止めに来たりと様々な手段を使ってきますが、断固たる決意で挑むようにしましょう。
この勇気がない場合は、明日出勤しましょう。
また、次の仕事先の目星をつけておかないと焦ります。
下記の企業をおすすめします。
STEP2.当日の動き
当日の動きのチェック項目は以下の通りです。
- 派遣会社の出勤システムは「欠勤」と報告しておく。
- 派遣営業に「体調不良で休み」と伝えておく。
- 派遣先企業から電話が来ても出ない。
- 派遣営業から電話が来た場合は出る。
以上の4点で大丈夫です。
お休みの理由は「体調不良」で問題ありません。
こんなやり取りになります。

熱と症状教えてください。
平熱ですが、頭痛と吐き気があります。おそらく精神的のところから来ていると思います。

また、会社によっては出勤の報告をするシステムも導入しているかと思います。
欠勤報告をしておかないと、フォローがかかったりと面倒なため、報告しておきましょう。
出勤時間を過ぎた後に、派遣先企業から電話が来る可能性があります。
この場合、派遣会社から派遣先企業に連絡が行っていないことが考えられますので、無視してかまいません。
派遣会社から「派遣先企業に欠勤連絡しておいて」と言われました


私もよく言います。連絡してほしいですが、連絡しなくていいですよ。
派遣先企業とのやり取りは基本は営業の仕事ですから。
朝一は派遣営業も温度感が高いですが、夕方には温度感が下がっていることはよくあります。
その時に改めて退職の話をしていきましょう。
重要なポイント
欠勤での対応は2,3日続くことがあります。
派遣営業が諦めて、「もう無理だね。退職。」となった段階でこのステップは完了します。
根気強さは必要です。
STEP3.実施後の手順
実施後に必要なチェック項目は以下の通りです。
- 万が一就業先に自分の私物があった場合は、派遣営業が引き取りに来るよう手配する。
- 派遣会社と退職手続きを行う。
- 会社から支給された貸与品を返却する。
- 割り切る。
職場に行かなかった後も、派遣会社とのやり取りが重要になります。
退職手続きが必要になるためです。退職手続きで離職票の発行や源泉徴収票の発行が必要になります。
ここまでやって完了です。
派遣会社と連絡が取れていれば、派遣営業が自宅に来る必要もなく、緊急連絡先に連絡されることもありません。
ただし、連絡を遮断すると、緊急連絡先に問答無用で連絡が行くことになりますので、ご注意ください。
派遣社員の即日退職が認められるパターン5つ
派遣で即日退職が認められる主なパターンは以下の5つです。
- 労働条件と実際の業務に相違がある場合
- 派遣先企業からハラスメント行為があった場合
- 精神的な病気になった場合
- 家族の仕事の都合により引っ越しが決まった場合
- 家族の介護が必要になった場合
これらの中で、業務内容の違いを理由にしたいと考えることでしょう。
業務内容の違いを見つけるには、雇用契約書に書かれた業務内容を確認し、違いを洗い出していきます。
ただし、相違を見つけるためには、あなたの見解だけでなく、派遣先企業の意見も考慮する必要があります。

なかなか即日退職には至らず、時間がかかる場合があります。
また、相違が発覚しても、派遣先企業が謝罪と改善を申し出て、業務内容が適正化されることもあります。
こうなってしまうと、即日退職と主張することも難しくなってしまいます。
参考までに
嘘の退職理由を伝えても派遣営業は知ることができません。
私が対応している中で、やむを得ない理由で退職される方が多いです。恐らく、本当の理由ではないことも言われているかもしれません。
職場に行かなかったら、会社では何が起こっているのか

仕事に行かなかった場合、派遣営業がどのような動きをするのか解説します。
この情報を知ることで、あなたの立ち回りの参考になると思います。
派遣営業は3つの方向に対応します
- 社内への対応
- 派遣先企業への対応
- あなたへの対応
それぞれについて説明します。
詳細については、こちらの記事でも解説しています。

派遣会社の社内への対応
- 上司に報告する。
- 次の対策案を考える(あなたの復帰方法、次の人選の動き、派遣先企業への伝え方)
- 社内のキャリアカウンセラーに状況報告し、次の人選を探してもらう、または自ら探す。
このステップで動きます。
上司への報告段階で退職で進めるか、もうひと踏ん張り頑張るかは判断します。
ここでの上司とは派遣元責任者と捉えてもらえれば大丈夫です。
大抵の場合、次の人選と派遣先企業への伝え方がメインで話し合います。
そのため、対策案によっては、あなたから聞いた話が変わって派遣先企業へ伝える可能性があります。
派遣先企業への対応
派遣先への対応は派遣営業にとって最もキツい対応の一つです。
ちなみに次にキツいのが、いつトラブルの連絡が来るかという恐怖心です。
派遣営業によっては、連絡をしたくなくて後回しにすることもある程。
あなたへの連絡が遅くなる原因の大半が、派遣先にまだ連絡が出来ていないことが原因だったりします。
派遣先企業からは必ずと言っていいほど、「次どうするの?」「次の人選は?」と聞いてきます。

もはやテンプレートのようなものです。
一日で次の人選が見つけるわけがなく、連日、派遣先企業へ人選の報告をしなければならないんですね。
あなたに対しての対応
派遣営業は、あなたが出勤しないことは百も承知しています。
しかし、派遣先企業や社内からの圧力により、やむを得ず対応していることもあるのです。

もし気分ルンルンで対応している派遣営業がいたら見てみたいです
この対応が嫌で退職する派遣営業も多いのです。
派遣営業は、あなたから伝えられた言葉を、社内や派遣先企業に伝える内容に組み替えて対応しています。
そのまま社内や派遣先に伝えると納得できない場合が多く、新人営業はここを苦労されることは多いでしょう。
派遣営業は、あなたの気持ちを理解していますが、板挟みの状況から、言わなければいけないこともあるという板挟みにあっています。
次の職場で気をつけること

実際に行かないと判断し、退職しても問題ありません。
ただし、次の職場に向けて下記の2点に注意することをお勧めします。
- 退職が癖にならないように
- 前回の反省点から改善策を考える
派遣社員として働いた経験をプラスに評価してもらうためにも、この2つの点は重要です。
それぞれ解説します。
退職癖にならないように
退職を繰り返す方は、今後も退職を繰り返す傾向があります。
退職することの基準が下がるためです。
派遣社員であっても、正社員であっても同じです。
次の職場では大丈夫!

正社員だったらこんなことにはならない

例えば
正社員の場合、派遣社員よりも責任感が重くなり、更に上司からの圧力が強くなります。
大企業では改善傾向にありますが、中小企業では未だに教育体制やハラスメント対策が進んでいない職場もあります。
派遣社員の場合、派遣会社があなたの後ろについて、トラブルがあった場合サポートしてくれます。
しかし、正社員の場合はあなたが対応しなければなりません。
このように、仕事のストレスと自ら解決しなければならないため、二重に負荷がかかるのです。
退職に対しての基準が下がっている状態で、ストレスが過多の職場に就いた場合、たとえ正社員であっても退職してしまうでしょう。
このスパイラルをどこかで止めなければなりません。

派遣会社は、派遣営業のサポートがあり、行動方針も示してくれます。その瞬間はキツイかもしれませんが、どこかで耐えて乗り越え方を学ぶ必要があります。
前回の反省点から改善策を考える
今回の退職を次に活かすようにしましょう。
「退職できてよかった」と思って終わりでは勿体ないです。
明日から仕事に行きたくないと思う理由は人それぞれですが、主に以下のような理由が多いです。
- 言われていた業務内容と違う
- 職場でやることが無い
- 教えてくれない
- 職場の雰囲気が悪い
上記理由の原因は、あなたの行動にあるかもしれません。
一旦派遣先企業のせいにせず、自分の行動を見直して次に活かしましょう。
例えば、教えてくれないという問題点に関して、以下の項目をチェックしてみてください。
- 「〇〇を教えてください」と言いましたか?
- 1度断られても2回3回と聞きましたか?
- 教えてくれないことを上司に相談しましたか?
- 聞き方に工夫をしてみましたか?
今一度自分にベクトルを向けて、改善してみてください。
自分の発言は変えられますが、相手の反応は変えられません。
言い方を変えると、自分の発言や行動から相手の反応を変える努力が必要です。
どの職場に行っても同じです。同じ人間ですから。

自分にベクトルを向けて、聞き方の質を上げていきましょう。そうしなければ、今後も同じ悩みがついて回ることになります。
明日から行かない場合のよくある質問

ここからは、よくある質問について解説します。
- 派遣先が合わない場合、退職することは可能でしょうか?
- 派遣社員がバックレる率を教えてほしい
- 派遣社員の退職最短レコードは?
- 辞めた後損害賠償は来ない?
まとめ
この記事では、派遣社員が明日から仕事に行かない場合のやり方を、派遣営業目線から解説しました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
- 派遣営業とは連絡が取れる状態にしておく
- バックレはNG。倍返しで返ってくる
- 明日から仕事に行かなかったとしても、現場はちゃんと回るから大丈夫
- 心身ともに疲れ果てる前に、行動したほうが今後のため
- 損害賠償は請求されることはない
この記事があなたの役に立つことを願っています。