- この記事で解決できる悩み
- 引き抜きをされるときのトラブルや注意点を知りたい
- やっぱり優秀な派遣社員が引き抜きをされるの?
- 引き抜きされたときどう変わるのか知りたい
- 本記事の信頼性
今までの経験の中でも引き抜きをしたこともありますし、されたこともあります。人材業界ではタブーとされていますが、かなり多いですよ。
派遣社員で仕事をしていると、一定数の方は会社から『うちで働かない?』と声をかけられます。
引き抜き行為、いわゆるヘッドハンティングといわれるものです。
優秀な派遣社員に声がかかることが多く、声がかかったときは嬉しさと共に、ビックリするかもしれません。
正社員を狙う一つの方法で引き抜きもありますので、正社員を目指している方にとっては嬉しい悲鳴でしょう。
この記事では、声がかかる優秀な派遣社員とは何かを紐解き、引き抜きをされた時の注意点を解説します。
派遣から正社員を目指すなら、引き抜き以外にも4つの方法があります。正社員を目指している方は合わせてこちらも読むと将来の道筋が見えてくるかもしれません。
そもそも引き抜き行為とはなにか?
引き抜き行為とは以下2点をいいます。
- 派遣先企業から声がかかること
- 他派遣会社から声がかかること
- 【補足】引き抜きは違法ではない
それぞれ声がかかるメリットは大きいです。
それぞれ解説します。
派遣先企業から声がかかること
派遣先企業から直接「社員」として入社しないかと言われた場合、引き抜きとみなされます。
引き抜かれた派遣社員にとっては、給与や待遇が上がる可能性があり、メリットが多いです。
また、派遣会社を通さずに派遣先企業と直接取引できることで、自分のスキルや実績を評価してもらいやすくもなるでしょう。
反対に、落とし穴もあります。
派遣先企業の社員になる場合、万が一就業条件が合わなくなった場合は、派遣会社に戻るのが難しいこと。
また、派遣会社のような「いつでも退職できる」安心感を得られない可能性もあります。
引き抜きがあった場合、自分自身のキャリアアップを考え、考えてから判断する必要があります。
派遣先企業での社員雇用には魅力がある一方で、リスクもあるため、自分にとって最善の選択をするために、情報収集やすることが大切です。
派遣先企業から声がかかったらシンプルにうれしいですね。
派遣先企業や派遣会社から声がかからない場合は、なにかしらの原因があります。
使えない派遣社員の9つの特徴に当てはまっていないかを確認してみるといいでしょう。
他派遣会社から声がかかること
場合によっては、他の派遣会社から声がかかることがあります。
別派遣会社の営業や別スタッフがあなたを評価してくれたということで、ポジティブにとらえていいでしょう。
現在の派遣会社との契約よりも好条件である可能性もありますので、話を聞く価値はあると思います。
話を聞いただけでは問題になりませんので安心してください。
場合によっては、新しい会社の方が給料が高かったり、雇用形態や安定していたりすることもあります。
必ず受け入れなければならないわけではありませんので、リスクとメリットを十分に検討した上で、新たな契約を受け入れるようにしましょう。
引き抜きは違法ではない
法的には問題ありません。
ただし、派遣会社が引き抜きを快く思わない場合もあります。
注意しなければならないのは、派遣先企業から引き抜きを受ける場合、現在の派遣会社にはまだ契約期間が残っている可能性があるということです。できる限り最後の契約期間まで満了するようにしましょう。
引き抜きは派遣会社とのトラブルが起こりやすいんだよね。。これがめんどくさい。
引き抜き時のトラブル2つ
引き抜きがあった場合、起こりやすいトラブルが2つ。
- 派遣会社から派遣先企業へのクレーム
- 同じ勤務先に居ずらい
良い話なのに、トラブルが起きてしまったら嫌ですよね。
起きやすいトラブルを事前に想定しておきながら、この後の動きができるかが大切です。
それぞれ解説します。
1.派遣会社から派遣先企業へのクレーム
派遣会社は自分の会社の商品を盗まれたので、たまったもんじゃないですよね。
そのため、「紹介料」として派遣先企業から回収することが多いです。
負担するのは派遣先企業であり、派遣社員が請求を負担することはありません。
黙っていてもいずれはバレますので、先に言っておいた方がいいかもしれません。
2.同じ勤務先に居ずらい
理由は気まずいからです。
もし引き抜き後、同じ職場で勤務する場合、派遣元会社の営業が巡回に来る可能性があります。
その時に目がばったり会ったら…
その場で声をかけてくるか、後から電話が来る可能性は高いですね。
引き抜きになる場合は大抵「今よりも勤務条件が良くなります」。そのため派遣元会社にはうしろめたさが残って、引き抜きの事実を隠す傾向があるんです。
しかし、ふとした時に、発覚しあとからトラブルになったという事例も多くあります。
私も営業で巡回しているときに、ばったり元スタッフと会うことがありますが、こちらもちょっと気まずいんです。
引き抜き時の注意点3つ
トラブルとは別に、引き抜き時の注意点が3つ。
- 有給休暇はリセットされる
- 給料が高いところには落とし穴がある
- 保険証等は再発行
それぞれ解説します。
有給休暇はリセットされる
前の派遣会社での有給休暇が残っていても、新しい派遣先には引き継がれません。
転職後の有給休暇をカバーするために、十分な貯蓄をしておく必要があります。
ただし、転職先が有給休暇の消化を認めている場合は、有給休暇の消化が可能な場合があります。
新しい職場に問い合わせてみてください。
でも派遣先に引き抜かれたとき、有給は使いにくいですよね・・・
派遣先から引き抜きをされた場合は、高い確率で有給を使わせてくれることが多いです。
次の雇用主が派遣先企業であれば、まずは派遣元ではなく、派遣先に相談してみると良いですね。
給料が高いところには落とし穴がある
ブラック企業や倒産しそうな企業ではないかどうか、その企業について調べておくとよいでしょう。
派遣会社から別の派遣先に引き抜かれ、高い給料を提示されると、うれしさのあまり給料だけに目が行ってしまいがちです。
給料が高いところでも、労働条件が悪い、行動規範を守っていない、会社や派遣会社がつぶれそうになっているなど、潜在的な問題があるのです。
給料が高いからと言って、必ずしも良い仕事ができるわけではないことを覚えておくことが大切です。
給与だけでなく、労働条件の面でも自分に合った会社や派遣会社かどうか、よく調べてから応募しましょう。
現職の社員によるネガティブな発言がないかにも注目するといいですね。
保険証等は再発行
派遣会社に引き抜かれた場合、保険証は新たに発行されます。
健康保険など、前の派遣会社から給付を受けている場合は、保険証を再発行しても給付はリセットされます。
保険会社に連絡し、再発行の申請をしないと、また給付の手続きが必要になります。
勤務先が変わると有給休暇がリセットされることを念頭に置き、それに見合うだけの貯蓄をしておく必要があります。
さらに、給料が高いところや、潰れそうな派遣会社や会社には落とし穴がある可能性があるので注意が必要です。
健康保険と雇用保険は勤務先が変わると変わるので、再発行するようにしましょう。
引き抜きは派遣社員にとって良い経験ですが、上記の点を理解しておくといいでしょう。
引き抜きされた場合のメリット4つ
引き抜きを受けたとき、以下4つのメリットがあります。
- 給与のアップ
- 待遇の改善
- 新しいポジションや肩書き
- 人間関係のリセット
給与のアップ
引き抜きを受けると、引き抜き時の給与よりも高い給与を提示されることが多いです。
その理由は、現在の給与よりも高い給与でなければ、その仕事を受けるメリットがないためです。
派遣社員にとって、私生活の安定になるので魅力的です。
満足のいく給与が提示されなかったら、できるだけ給与の条件について交渉するようにしましょう。
最初に提示された賃金だけを受け入れるのではなく、自分の経験やスキルレベルを反映した公正な賃金であることを確認しましょう。
待遇の改善
派遣社員時代にはなかったボーナスやインセンティブが支給されるようになる場合があります。
また、正社員になると、有給休暇や健康保険など、正社員に関連する福利厚生が充実し、魅力的なものになります。
正社員になると、同僚との関係も変わることがあります。
正社員としてより多くの尊敬を受け、さらには雇用の安定を図ることができるかもしれません。
それ自体がメリットになることもあります。
新しいポジションや肩書き
正社員になることで、派遣社員時代よりも地位やポジションが上がる可能性があります。
場合によっては、責任のある仕事を任されることもあります。
正社員になるということは、自分のスキルをより伸ばすことができるということでもあります。
多くの企業では、資格の取得を奨励しているため、個人的にもキャリア的にも成長する機会を見つけることができます。
人間関係のリセット
同僚や取引先の人と関係が悪くなっても、正社員になれば関係をリセットすることができます。
特定の人との付き合い方に問題がある場合もあるので、それ自体がメリットになることもあります。
正社員になることで、チームの一員になることを忘れてはいけません。
要はチームの目標を考慮し、成功を手助けしなければならないのです。
取引先の企業から引き抜かれる場合、多くのメリットがあります。
給料が上がる、待遇が良くなる、新しいポジションや肩書きが得られる可能性がある、人間関係をリセットできる、などです。
話を持ちかけられたら、給与の交渉はもちろん、関連するメリットもすべて慎重に検討することが大切です。
優秀な派遣社員が引き抜かれる3つの理由
優秀な派遣社員程引き抜かれる可能性が高くなります。その理由がこちら
- 自社で長期勤務してほしいため
- 人件費を浮かせたい
- いろいろな業務をやってほしい
それぞれ解説します。
自社で長期勤務してほしいため
今後企業で役職になってほしいと感じていることが多いです。
そして、優秀な人には退職してほしくないもの。
正社員という形をとって少しでも退職を抑止したいと考えるわけですね。
さらに派遣会社の所属の場合、優秀な方の意思ではなく、派遣会社の意思で移動させられてしまうこともあります。
研修したのも派遣先企業であり、そうなってしまっては面白くありません。
自社で囲うことにより、将来的に組織力の強化につながり、売上向上が見込めます。
そのため、優秀な人は自社で囲いたいと思うんですね。
優秀な人は辞めてほしくないと、どの企業も考えます。
人件費を浮かせたい
派遣会社に支払っているお金は高いです。
派遣会社はあなたの給料の約30%程を上乗せして派遣先企業へ請求しています。
派遣会社のHPに掲載されているマージン率から大体わかります。ここでは大体30%と思ってもらえれば大丈夫です。
- 派遣会社の広告費
- 社会保険や福井康生
- 派遣会社の運営費
あなたを直接採用すると上記の金額は一切かからなくなります。
元々派遣会社に支払っていた金額がなくなることにより、優秀な社員の給料をあげることも可能です。
直接採用にすることで大きく人件費が浮きますので派遣先企業は引き抜くのです。
できるだけ人件費を浮かせたいために「派遣会社に黙って」引き抜きをすることもあります。
バレたらどうしよう…
そんな不安を抱える方のために、直接雇用がバレる理由・バレたらどうなるのか?を解説した記事を準備しました。
いろいろな業務をやってほしいと考えている
優秀な派遣社員は管理者ができるほどの能力を持った方もいます。
派遣社員の場合、契約書に書かれている業務以外は、基本させてはなりません。
派遣先企業としては、「必要のない制限」ですよね。
今やっている業務よりも、もっと幅広く研修して、できるようになってほしいもの。
そこから会社の売上につながるためです。
優秀な方へいろいろな業務をやってほしいと考えていることが3つ目の理由です。
優秀な人には幅広く仕事を任せたいんですよね。
優秀な派遣社員の4つの特徴
判断する人により、引き抜きされる人(優秀な人)の判断軸は変わりますが、統一している事が4つあります。
- 仕事の目的を考えている人
- 報連相がうまい
- 勉強を怠らない
- 上司を立てることができる
簡単に解説します。
仕事の目的を考えている人
仕事は与えられたことをこなすだけではいけません。
それであれば誰でもできるため、優秀とは言えないです。
優秀な方は仕事の目的を考える傾向があります。
理由は、目的を達成できれば、手段は自分で考えることができるからです。
少し難しいように聞こえるかもしれませんが、「どのように仕事の目的を達成させるのか」さえわかれば、やり方は人それぞれです。
このやり方に「仕事の価値」が出るんですね。
優秀な方は仕事の価値を常に提供しています。
だからこそ、仕事の依頼を受ける際に、「完成イメージや目的を確認する」傾向があります。
報連相がうまい
優秀な人は報連相が簡潔明瞭です。
PREP法で報告している方が優秀と言えます。
PREP法を知らない方はググってみてください。
注意しなければならないのが、「ネガティブな報告をする」この時に突然PREP法で報告できなくなる方が多いです。
叱られたくないから言い訳から入るんですね。
ネガティブな報告こそ、PREP法を意識していくといいですよ。
勉強を怠らない
よく学校で「テスト勉強全然してない。けど点数がいい人」この感じは仕事でも言えます。
優秀な人は、自分で調べて勉強していくことを怠りません。
更に、「なんでもかんでも教えてください」というスタンスではありません。
例えば誰かに質問する際にも、これはわかります。
何も調べてなくて質問する人の質問方法
「〇〇について教えてください」
自分で調べた上で質問するとこうなります
「〇〇まで調べましたが△△がわかりませんでした」
周りの優秀な方の質問に耳を傾けてみてください。後者の質問の仕方をしている方は仕事ができる人の可能性が高いですよ。
上司を立てることができる
上司を立てて、気に入られることを戦略的にやっています。
周りから固めることで、自分の評価が上がるとわかっているからです。
優秀な人は相手を立てることが上手です。
よくある間違ったパターンとして、周りに味方を作ろうとして、「周りに愚痴ばかりいう」人がいます。
おつぼねさんとかがここに該当しますね。
味方を作る場合は、ネガティブな内容で味方を作るのではなく、ポジティブな内容で味方をつけるべきですね。
ここまで、優秀な人の特徴を解説しました。
まとめると次の通り。
- 仕事の目的を考えている人
- 報連相がうまい
- 勉強を怠らない
- 上司を立てることができる
優秀な人は常に努力しているんですね。
はい。優秀な人は会社からも【手放したくない派遣社員】です。
もっと詳しく手放したくない派遣社員を知りたい方は以下の記事を確認してみてください。派遣切りをされない人の特徴でもあります。
なぜ引き抜きをするのか?引き抜く理由とは?
引き抜き。かっこよく言うとヘッドハンティング。
派遣社員のヘッドハンティングは3つの理由が考えられます。
- 採用費が浮く
- 人件費が安く済む
- 即戦力である
採用費が浮く
人を採用するのに15万円以上かかると言われています。
人を採用するには、広告や書類選考など、採用活動の全プロセスをカバーするために、多額の資金が必要です。
もちろん、必要な面接を行い、採用を完了するためだけの工数も必要になります。
このような採用コストが浮くため、企業にとっては、高い採用コストを払うよりも、同じスキルを持つ重複する派遣社員を引き抜く方が簡単で、費用対効果も高いのです。
人件費が安く済む
企業が派遣社員を引き抜く際、派遣先企業は派遣会社にその対価を支払います。
通常派遣社員は、稼いだお金の20〜30%程度が人材派遣料に充てられ、残りのお金は派遣会社の粗利として残ります。
これは、直接雇用にかかる費用よりもずっと安いので、企業にとっては派遣社員を雇うだけの魅力があるのです。
即戦力だから
派遣社員を引き抜く最後の理由は、シンプルです。
派遣社員はすでに仕事の経験もあり、教育も必要ないため、企業にとっては安心感があります。
企業も派遣社員としての働きぶりを知っているので、未経験の社員を採用するより、信頼できる派遣社員を引き抜いた方がずっと安心です。
これらが企業が派遣社員の引き抜きを決定する主な理由であり、企業にとって有益である理由なのです。
まとめ
引き抜きは派遣社員にとってメリットがある反面、トラブルにつながりやすいものです。
ポイントを押えてキャリアアップを果たしていきましょうね!
大事なポイントをまとめるとこんな感じです。
- 引き抜きは違反にならない。ただ、派遣会社としては気分が悪い。
- 注意すべき点は次の雇用主になる会社が「給料以外の点が大丈夫か」を調べておくこと
- 企業は常に派遣社員を狙っている
最後まで見て頂きましてありがとうございました。