派遣契約の更新確認は更新日から1か月半前に来ることが多いです。
契約更新の確認が早く入りすぎるからこそ出てくる悩みもあります。
更新確認で「更新する」と伝えたものの、後から「やっぱりなしで」は、できるのでしょうか?
更新の一ヶ月前までであれば可能ですよ♪
事実として、私自身派遣営業をしている中で、更新確認を取ったときに「早すぎませんか?」と言われたことは何百回とあります。
私が10年以上にわたり、派遣営業をしている経験からお話しできる内容もあると考えています。
過去を思い出しただけでも、更新確認は今までに8,000回以上しています。
本記事を読むことにより、派遣会社がなぜ1か月半前に更新確認を取っているのかがわかり、更新確認時の上手な立ち回りを知ることができます。
契約更新の連絡が入る目安は更新日の1か月半前
冒頭でもお伝えした通り、契約更新日から1か月半前です。
契約更新30日前までには契約を確定させる必要があるためです。
逆に言うと契約更新日から一か月以内の更新確認は遅すぎます。
万が一そこで契約終了となった場合でも、1か月前の終了告知がお互いに守られません。
更新をする際、派遣会社はまずあなたの契約更新意思を確認し、その後派遣先企業へ更新OKの連絡をしていきます。
ちなみに、更新時期はかぶりやすいです。大抵の場合は四半期ごとの更新になっているので。
- 4月~6月
- 7月~9月
- 10月~12月
- 1月~3月
と1年を4回に分けたものを四半期と言います。
更新確認のパターンは実は2つある
更新確認のパターンは以下2つがあります。
- 派遣先企業から要望を言われて確認するパターン
- 派遣元会社が確認するパターン
少し違いがわかりにくいかもしれませんが、「更新確認してくれ」と言ったのが派遣先か派遣元かの違いと認識してもらえれば間違いないです。
派遣先から言われるパターンの多くはネガティブな内容を含みます。
そして派遣会社が確認するパターンは通常の更新確認のパターンです。
それぞれ見ていきましょう。
派遣先企業から要望を言われ、その要望に答えるための更新確認
派遣先企業から要望を言われ、更新確認をするパターンがあります。
具体的には下記です。
- 勤務態度に問題があり、直してくれないと更新しない
- 勤務条件や業務内容、配属部署を変更したい
- 派遣先企業での人件費の問題で、早い段階で更新確認してほしい(その後派遣先で予算を取りに行きたい)
- 派遣先企業で新しい人の採用ができそうで悩んでいる
このような問題から派遣先企業が更新を確認してくる事があります。
その場合、一旦派遣会社は内容をヒアリングし、あなたに共有をします。
更新時に「ここを修正してくれ」と言われた方は、背景には派遣先企業から指摘されたからと認識してもらったら大丈夫です。
派遣先企業が、勤務条件や業務内容、配属部署を変更したいと要望がある場合も更新確認時に確認が入ります。
呑み込めない内容の場合もありますので、無理なものは無理ときっぱり断りましょう。
勤務条件が呑み込めないと伝えた後はこうなります
- 今の勤務条件で継続
- 契約が切られる
- 別の派遣先企業に切り替え
あなたの希望の勤務条件とまるで違う条件だった場合は会社都合退職になります。
あなたの更新意思を確認するための更新確認
これは通常通りの更新確認のパターンですね。
特に勤務条件がかわる事はないでしょう。
更新確認時に派遣先企業からの評価がどう見られているのか教えてくれる派遣営業がいます。
しかし、この評価を伝える場合、派遣営業で伝える内容を美化している傾向にありますので、すべてを真に受けず頑張ってください。
派遣営業から言われた評価を真に受けすぎて「だったら給料上げてください」と言われる事もあります。
派遣営業が美化しちゃったもんだから、派遣先企業へ給料交渉ができず、言い訳しかしない派遣営業を多く見てきました。
更新確認が早すぎる理由5選
どうして更新確認が早すぎるのかを解説します。
現在私自身、派遣営業に「更新確認してね」と指示を出している側です。
そのため、会社としてなぜ更新確認をしているのかも加えて理由を5選お伝えします。
ひとつひとつ解説します。
営業担当が複数名スタッフを抱えているため
派遣営業は100名以上の派遣社員を担当することがあります。
会社規模によって変わりますが、40名~150名が現実的な範囲です。
メールや電話で更新確認が入ると思いますが、例えば100名の社員を電話で更新確認しようとするとこうなります。
派遣社員1名につき5分の電話×100名=500分(約8時間)
気合でやれば1日でいけますが、現実的ではありませんね。
更に更新確認を取った後、派遣営業は以下の事を行います。
- 派遣先企業へ更新の連絡
- 契約書の作成
また派遣営業の仕事は更新確認だけではありません。
新規候補者の職場見学に行ったり、クレーム対応していたりと様々です。
だからこそ、時間に余裕を持って行動をしていることが多いのです。
派遣先から改善点を指摘されたため
派遣先企業から改善点を指摘された場合は、指摘された時点であなたへ電話が来ます。
改善しないと次回更新が危ないからです。
大抵の場合、派遣先企業からは更新日の1か月前ギリギリに来ることは少なく、もう少し前の段階で改善点を指摘されます。
更新確認後に派遣先企業へ更新連絡をしたときに指摘を受ける場合もあります。
その場合、更新確認後にもう一度派遣営業から連絡がかかってきますが、多くはそのまま更新になります。
派遣営業が会社の売上を予測したいため
派遣営業はなぜ更新確認をしているのか?理由は下記です。
- 会社ルールでやらないといけないから
- 上司から言われてやってる
- 更新されるか不安だからやってる
大抵の派遣営業は会社に更新確認をやらされているのです。
更新確認は莫大な時間を取られますし、やらなくていいのであればやりません。
それならなぜ会社は更新確認をするんですか?
理由はいくつかありますが、大きな理由は「会社の売上計画を作りたいから」です。
派遣会社もビジネスです。3か月後6か月後先の売上を予測して、そこから課題を洗い出して対策を取ります。
派遣会社の売上は派遣稼働人数により左右されます。
要は、あなたの更新が会社の売上に直結してくるんですね。
契約更新希望しない場合、次の仕事を探す期間が必要のため
もし契約更新を派遣社員が希望しなかった場合、下記を派遣営業は行うことでしょう。
- 派遣社員へ退職抑止の実施
- 今の職場でのネガティブな点の改善
- 次の仕事の紹介
派遣会社はそもそもあなたを退職させたくありません。
今の職場の退職をさせたくないのではなく、派遣会社そもそもの退職をさせたくないのです。
要は、派遣先企業が変わっても、派遣元は一緒でお願いね。と思いがあります。
通常派遣会社は次の仕事が決まるまでの期間は最低でも2週間は必要です。
もし派遣社員が更新を希望しなかった場合、派遣会社が「あなたに派遣先を変えようか」と伝えても、次の仕事がどういう仕事になるのかを提案できないと、残ってくれる可能性は低くなりますね。
次の仕事を提案する時間を作るために、早い段階で更新確認をします。
早めに更新確認して少しでも退職抑止したい
人は自分の言葉に責任を持ちます。
そのため、悩んでいる状態でも「更新します」と言ったら、その言葉を遂行しなければならないという潜在意識がちょっと働くんですね。
これが狙いだったりします。
例えば、転職しようか悩んでいる派遣社員に対して、「とりあえず更新しておこうか」と伝え、更に「もし更新しない場合は連絡ください」。こう伝えるだけでも、更新確認後の辞退率が下がります。
たしかに一回更新って伝えたら『次のタイミングでいいや』と思っちゃいます。
派遣営業としては更新と言わせることが退職抑止に繋げていたりしますからね。
とりあえず更新して、後から「やっぱりなしで」はあり?
ありです。
退職したい旨を伝えた1か月後に退職可能です。
契約更新時に退職することが最も望ましいですが、更新月以外の月でも問題なく退職することができます。
しかし、一度更新確認のときに「更新します」と伝えたものだから、契約までやりきらないとと思う方がほとんどです。
要は、更新月の退職じゃなかったとしても、30日前に告知すると退職できます。
中にはもう契約更新したから無理だよ。と言われることもありますが、あまり気にしてはいけません。
もし契約終了になった場合はどうすればいい?
中には更新確認ではなく「契約終了を告知」されることもあるでしょう。
頭が真っ白になる瞬間ですね。
契約終了になった場合は下記を確認して見てください。
- 契約終了理由を確認する
- 次の派遣先企業を紹介してくれるか派遣営業に確認する
- 他の派遣会社に応募し、転職活動を進める
- いざという時のために「失業手当」を調べておく
それぞれ解説します。
契約終了理由を確認する
契約終了の理由を確認しない限り、次どうすればいいのかがわからなくなってしまいます。
契約終了になる理由は様々です。
派遣先企業が原因の場合は改善することは難しいですが、あなたが原因の場合は、修正しないと次も同じ理由で契約終了になる可能性があります。
派遣営業の中には、あなたを傷つけさせたくないという理由から「本当の退職理由を伝えない」担当者は多いです。
派遣を切られた本当の理由を解説した記事を準備しました。
切られた理由に違和感を感じた方は一読ください。
契約終了になるとショックを受けるものです。
契約終了を受けて正攻法で仕返しをする方法は以下の記事で解説しています。一つの知識として持っておいて損はありません。
※青字をタップすると該当ページにジャンプします
次の派遣先企業を紹介してくれるか派遣営業に確認する
次の派遣先企業の紹介可否の確認は必須です。
理由は下記2点です。
- もし退職になった場合「自己都合退職」か「会社都合退職」がこの質問でほぼ決まる
- 今後の転職活動に大事な情報になる
そもそも派遣会社から次の仕事紹介がされない場合は「会社都合」での退職となります。
また、派遣会社から仕事紹介がないと早い段階からわかれば、その瞬間から自分で行動することができます。
中には「派遣会社から仕事紹介されると思った」と勝手な思い込みで決めちゃってる人もいます。
次の仕事の有無を話す派遣営業は少ないため、自ら聞く必要があることを覚えておきましょう。
他の派遣会社に応募し、転職活動を進める
同時進行で他社に応募することをおすすめします。
大抵の方は派遣会社には他社を受けていることは伝えません。
職業の選択は自由だからです。
よく、派遣営業から「次の仕事紹介あるからちょっとまっててね」と言われることがあります。
その言葉を信じて、待っていると悲惨な結果になることもあります。
最終的に「探した結果、次の仕事先が見つかりませんでした」こう言われてしまってはまずいですね。
派遣会社に登録しても入社までの期間は10日~2週間はかかります。
仕事が決まるまでの流れは、派遣で仕事が決まるまでの期間は?派遣に登録してからいつ働けるのかを解説!の記事で解説しています。
一日でも早く勤務できるコツもありますので、是非見てみてください。
次の仕事がないと分かった段階で行動するのか、仕事を紹介されない可能性があるから先に行動しておくのかは大きな違いです。
いざという時のために「失業手当」を調べておく
契約終了になった時のために、事前に失業手当について調べておくといいでしょう。
いざ、契約終了と言われた時に立ち回りが分かるから有利になります。
派遣社員は会社都合での退職にしやすく、自己都合退職でも失業給付までの給付制限がないことがメリットです。
しかし、分からないまま派遣会社の言いなりになってしまい損をしている方が多いです。
情報さえ持っていれば、派遣営業の都合のいいように振り回されることを減らせるでしょう。
派遣社員の失業手当はこちらの記事で解説しています。是非参考にしてみてください。
パターン別の更新確認の乗り越え方
ここからはパターン別に更新確認時の乗り越え方を解説します。
- 転職活動中で、まだ転職先が決まっていないのに更新確認が来た
- 今の職場の環境が悪く、派遣先を変更したいと考えている
- プライベートの都合から勤務条件変えたいと考えている
それぞれ解説します。
転職活動中で、まだ転職先が決まっていないのに更新確認が来た
更新します。と回答して問題ありません。
派遣社員の多くが次の転職までのつなぎとして派遣を利用しています。
つなぎで派遣をしていると下記のシチュエーションになりやすいです。
次の仕事が決まりそうなんです。面接待ちの会社が合格くれそうですし。
では、なぜ更新すると伝えていいのか?
理由は3つあります。
- 1か月前に退職の申し出をしたら退職できる
- 失業手当の必要がない
- 万が一期間途中で終了しても問題ない
よく、期間途中で退職したら損害賠償があると聞くけどと言われますが、ありません。
法律に違反したとか、物損したとかは損害賠償になりますが、通常通り働いていたらおきえません。
一旦更新します。と伝えてしまい、転職先が決まったら「辞めます」と伝えるのが得策です。
契約途中での損害賠償について知りたい方はこちらを併せて見てもらえるといいと思います。
今の職場の環境が悪く、派遣先を変更したいと考えている
更新確認時に派遣営業に相談しましょう。
伝えた際に見極めるポイントとしては以下です。
- 派遣営業が問題を解決しようとしているか
- あなたにしか改善を求めていない(派遣先に問題を改善しようとしない)
後者の場合は派遣先を変えると伝えてもいいでしょう。
伝えるポイントは具体的に何が合わないのかを派遣営業へ伝えることです。派遣先を変えてもらう確率が上がります。
具体的手法は以下の記事でも紹介しています。
派遣営業が問題を解決しようとしている場合はもう少し我慢することをおすすめします。
辞めたいものは辞めたいです。
しかし、みんなそうです。
人が辞めない会社は派遣会社を利用しません。
派遣先企業で何か問題があるから派遣会社から人を入れることが多いのです。
プライベートの都合から勤務条件変えたいと考えている
まずは派遣営業に相談しましょう。
具体的には下記のようなシチュエーションです。
- 出勤日数を減らしたい
- 引越しになりそう
- やりたいことに時間を使いたい
まずは派遣営業に事実を伝えて相談するのがいいでしょう。
場合によって調整してくれます。
プライベートの都合から勤務条件を変更したい方は多いです。
それだと無理だよ。と派遣営業から言われることもあります。
プライベートを本当に重視したいのであれば別の派遣会社や転職先を探すことをおすすめします。
素直に派遣営業に伝えることで、今の派遣会社が持っている仕事情報を教えてくれることがあるので情報収集することも可能です。
派遣先には、あなたの情報を伝えることは少ないので、言ったところで派遣先での居心地が変わることはありません。
派遣の更新確認が全く来ない場合もある。その理由は?
ここからは派遣の更新確認が全く来ない場合を解説します。
- 更新するでしょと思われて勝手に更新されている
- 派遣営業がさぼっている
要は派遣営業の怠慢です。
派遣社員は契約期間が定められた働き方のため、いくら長期勤務が前提だとしても更新確認は必要です。
あなたが継続を希望している場合は大きな問題にはなりにくいと思いますが、いざ辞めたいと思った時にトラブルになりかねません。
一通メールで「更新確認はありますか?」と確認してみましょう。派遣営業の仕事の向き合い方がわかります。
更新確認は派遣営業としては面倒です。
更新確認という大事な業務を怠慢にしてしまう営業は、更新確認以外のフォローもガサツな場合が多いです。
あなたが給料交渉を申しても後回しにする傾向があるでしょう。派遣営業変更も視野に入れるといいですよ
【納得いかないところ】連絡がないときは派遣営業に連絡しましょうと言われるけど
派遣営業から更新の連絡がないとき、
あなたから更新の連絡する必要はないよね?と思うのは私だけでしょうか。
派遣会社はあなたの雇用を守り、報告する義務があります。
万が一契約終了になる場合、あなたはそれを知るすべはありません。
派遣営業から連絡がこない限りわからないのです。
派遣営業しか知らない内容を、なぜあなたの貴重な時間を割いて電話をする必要があるのか。派遣営業から必ず連絡をするべきです。
派遣営業から更新連絡をしていないのであれば派遣営業の業務怠慢です。
私自身も派遣営業を長くしていますが、更新確認は必ず連絡します。
万が一、派遣先企業から「契約終了」の連絡がきても、まずは派遣先企業と戦います。
そのまま筒抜けのようにあなたに伝えるのであれば、派遣営業が存在する意味は無いと考えています。
もし、契約更新の連絡がこないなら、派遣営業にクレームの連絡をしてあげましょう。
※ぱぱだんごの心の声
契約更新が早すぎる場合のよくある質問
以下4つの質問が多いです。
- 更新希望しなかったらどうなるの?
- 更新しない場合は誰に言うのが正解?
- 更新可否の最終判断はどこでわかるの?
- 更新されない場合の前兆はあるの?
まとめ
この記事では契約更新が早すぎる理由とパターン別の更新確認方法を解説しました。
- 更新確認は「派遣先企業から指摘された場合」でも更新確認は早くなること
- とりあえず更新をしたあとに「やっぱり無し」でも問題なし
- もし契約終了になってしまった場合は、派遣営業に次の仕事紹介有無を確認しましょう。
- 転職活動中で更新可否に困っている人も一旦更新にしてしまうといい
- 更新確認の連絡が全く来ないのは「派遣営業の怠慢」が理由であることが多い
派遣の契約更新は通常更新日の1か月半前に入ります。
なぜ更新確認をしているかを知ることで、上手に派遣会社を利用してもらえればと思い執筆いたしました。
少しでも参考になれば幸いです。