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私自身、大卒で派遣でした。その後派遣会社の正社員として派遣営業をしています。
派遣社員として働いてるけど、大卒なのにもったいないと心のどこかで思っていませんか?
せっかく大学を出たんだから、正社員で働かないとと思っているものの、
- 自分のやりたいことがない
- 自分には正社員になれるスキルがない
- 正社員の働き方に疲れてしまった
こういった状況で勤務している方は非常に多いと感じています。
実際に、派遣社員の大卒割合は26.6%、短大卒や大学院卒も含めると41.0%であり、割合は増えてきています。
焦って正社員を狙わなくてもいいですよ。
派遣社員に対しての世間一般的な見方は厳しいです。しかし、正社員の働き方にはない、派遣ならではの魅力もあるんです。
本記事では、実際に大卒で派遣社員として働いている方の理由を私の体験も交えて解説します。
現在大卒で派遣社員として働いていて、将来や周りの目が気になる方は是非目を通してみてください。
記事の後半では派遣社員から正社員になれる方法も解説していますので、将来設計の参考にもなります。
大卒で派遣がもったいないと言われる5つの理由
大卒で派遣はもったいないと言われる理由は次のとおりです。
それぞれ見てみましょう。
大卒ブランドを捨てることになる
派遣は入社しやすく、単調な仕事が多いため、大学で頑張ってきたことを活かすことができないと感じる人も多いでしょう。
大卒には大学卒業のブランド価値があります。大学受験をして、しっかりと勉強してきた積み重ねがあるからです。
大学では自分自身が興味を持っていることから学科を選び、入学のためにコツコツ勉強していきます。この積み重ねたプロセスは、ビジネスの場でも大切になってきます。
また、会社はあなたの能力を買うのではなく、あなたの期待値を買います。高卒と比べると、大卒の方が期待値が高くなることが多いのです。
派遣は入社しやすく、単調な仕事が多いため、大卒ブランドを捨てることがもったいないと言われる理由です。
正社員と比べると生涯年収が違う
正社員と派遣社員の生涯年収には差がありますので表にしてみました。
正社員 | 派遣社員 | 差額 | |
---|---|---|---|
生涯年収 | 1億7,118万円 | 1億1,341万円 | 5,777万円 |
控除金額 | 4,280万円 | 2,835万円 | 1,445万円 |
手取り金額 | 1億2,838万円 | 8,506万円 | 4,332万円 |
年収は「中央値」ではなく「平均値」で計算されていることに注意してください。業種や個人によって年収は大きく異なります。
例えば、同じ派遣社員でも、工場とエンジニアであれば給料も異なります。
正社員が給料が高くなる理由として、以下の点があげられます。
- ボーナスがある
- 経験年数があがり役職につくと給料UP
- 昇給の基準が明確
一方で派遣社員は、以下の特徴があります。
- 経験や年齢に給料が左右されにくい
- 一定の期間だけ働くため役職につきにくい
- ※この点はキャリアアップが限られるためでも解説します。
- 専門知識を必要としない仕事が多い
このことから、生涯年収には大きな差が生じます。
派遣社員の場合、正社員と比較して生涯年収が低く、「1社で稼ぐ」と考えるともったいないと言われることがあるのです。
世間からの評価が悪い
大卒で派遣をしているというと、なんか微妙な雰囲気になったりします。
特に親からの反論や大学の友達から「何の仕事してるの?」と聞かれたら、素直に答えたくなくなってしまいますよね。
世間の一般的な見方は派遣に対して厳しいです。
- 定職に就けない落ちこぼれ
- 仕事がない人が選ぶ仕事が派遣
- 自分で仕事を見つけられない人が選ぶのが派遣だから
特に親世代では、公務員が最上位ランクの仕事と考えている人が多いのも事実。
しかし、今はどうでしょうか?
世界のトヨタも終身雇用は終わったと言っています。一昔前の考えを尊重すると逆に痛い目を見ることもあります。
大事なのは、世間の評価よりも、あなた自身が何がしたいかではないでしょうか。
派遣の仕事内容は単純なものが多く、大卒の頭脳を活かしきれない
派遣社員の目的は「労力の提供」です。
単調作業が多く、発案が必要だったり考える仕事、また会社の方向性を決めるような判断はありません。
例えば、大学で経営について学んでいても、派遣社員の状態では経営に携わることができないのです。
派遣社員として勤務をしている中で、「なんでこんなことやってるんだろう…」と思う瞬間が出てくるのではないでしょうか。
派遣社員でのキャリアアップが限られるため
派遣社員は正社員と比べて、雇用期間が限られているためにキャリアアップがしにくいです。
- 派遣契約は3か月~1年程度の期間で締結され、更新されるかどうかの基準が曖昧であるため
- 雇用主と業務を指示してくれる会社が異なるため、正当な評価を得ることができず、責任のある業務を任せてもらえず、役職が得られない
派遣会社によっては、昇格ができることもありますが、通常は業務に加えて派遣社員をフォローする程度であり、管理職と言えるほどの業務ではありません。
さらに、現在の仕事をこなしながら派遣社員を見るため、単純に重労働になります。
ここまで大卒で派遣がもったいない理由を解説しました。
改めてまとめると次の通りです。
- 大卒ブランドを捨てることになる
- 正社員と比べ生涯年収が違う
- 世間からの評価が悪い
- 派遣の仕事内容は単純なものが多く、大卒の頭脳を活かしきれない
- 派遣社員でのキャリアアップが限られるため
たしかに大卒で派遣社員をしていると言うと、この辺りを考えてしまうかもしれません。
そうなんですよね。
ちなみに、大卒で派遣をしたら負け組になるのでしょうか?
では、次は大卒で派遣は負け組なのか?について解説していきましょう。
大卒で派遣は負け組なのか?
大卒で派遣は負け組と言われることもありますが、人によって異なります。
派遣でも正社員よりも豊かに働いている方もいますし、副業で成功して正社員よりも稼げておりスキルの高い人もいるのです。
次の3つの視点から大卒で派遣は負け組なのかを解説していきます。
- 大学によってかなり変わる
- 派遣社員のほうが正社員よりも稼いでいることがある
- 価値観は自分で決める
それぞれ見てみましょう。
大学によってかなり変わる
一流大学にいった場合、大手企業の正社員や専門分野で道を開けることもあるでしょう。
しかし、名の知られていない大学を出た場合はどうでしょうか?
「なぜその大学に入学したのか」と聞かれると以下に該当しませんでしょうか?
- 決まったのがその大学だった
- 第一希望が落ちたけど、浪人するのも嫌だったし入った
結果入学してみて得られたことはありましたか?
むしろ、大学在学中にバイトを通してやりたいことを見つけたり、思考が変わったりすることはよくあることです。
私を例にして申し訳ないのですが、
私は私立大学の文系の経営学部を卒業しました。
しかし、その後就職したのはバリバリ理系のエンジニア職。無期雇用派遣だったため、スキルや経験なく入社できたのです。
大学で学んだことは一切使うことができず、仕事に就いてから学ぶことしかなかったのです。
一流の大学に入学できた方は派遣はもったいないと考えています。
しかし、そうじゃない場合は、色々な仕事を通じてやりたいことを見つけたりしてみるのもいいのではないでしょうか。
派遣社員のほうが正社員よりも稼いでいることがある
役職や昇給があるからといって、必ずしも正社員の方が稼ぎが良いとは限りません。専門知識を必要とする派遣社員や副業をしている派遣社員もいるからです。
専門知識を必要とする派遣社員は、
- ITエンジニア
- 薬剤師が
などが挙げられます。
派遣社員は、正社員とは違い、自分のスキルひとつで生き残る必要があります。また、派遣会社が開催している研修を受けることで、スキルアップすることができます。
さらに、派遣社員は副業が可能です。
アルバイトなどの副業はおすすめしませんが、自分自身の資産価値を高める副業をして、本業よりも稼いでいる派遣社員もいます。
正社員のように、過度な残業や転勤がないため、副業に専念できる環境が整っているのです。そこから将来独立している方もいらっしゃいます。
一つの収入源で見ると、正社員の方が収入は高くなりますが、派遣社員で掛け持ちをすることで、正社員以上の稼ぎを出せるのです。
価値観は自分で決める
世間の一般論にとらわれず、自分自身がどう考えるかが大切です。
あなたの人生は自分で決めるものです。
よく言われる一般論として、以下のことがあげられます。
- 結婚は正社員じゃないとできない
- 大卒で派遣はもったいない
- 安定するなら公務員
一般的な考えに合わせることなく、自分自身の考えを貫き、周囲の考え方を変えることが大切です。
私自身も、大卒で派遣社員として働いていましたが、その状態で結婚し、子供にも恵まれました。今では、一般的なサラリーマンよりも年収がちょっと高いと思います。
周りからは否定されることもありましたが、それでも平穏に暮らしています。
周囲の意見に耳を傾けることは大切ですが、自分自身の考えを信じ、自信を持って進んでいくことが大切です。
ここまで大卒で派遣は負け組なのか?を解説しました。
簡単にまとめると次の通りです。
- 大学によってかなり変わる
- 派遣社員のほうが正社員よりも稼いでいることがある
- 価値観は自分で決める
いっぱい稼いでいる大卒の正社員でも「毎日暗い顔して出社している」よりも派遣社員で「充実した毎日を過ごしている」ほうが勝ち組かもしれませんね。
次の章では、入社した後は大卒も高卒も変わらないことについて詳しく解説していきます。
入社後は大卒も高卒も変わらない
- ぶっちゃけ大卒の派遣は多い
- 仕事で使うスキルは大学で学べない
- 入社後の努力によって変化する
ひとつひとつ見てみましょう
ぶっちゃけ大卒の派遣は多い
派遣社員の大卒割合は26.6%、短大卒や大学院卒も含めると41.0%です。
ちなみに、大学卒業後の就職率は78.0%で、約75.3%が正社員で、残りは非正規のフルタイム派遣社員や契約社員です。
新規大卒就職者の31.2%が就職後3年以内に離職しており、その後、正社員の働き方に疲れて、派遣社員になる方もいるのです。
案外、派遣を選んでいる方は多いのです。
仕事で使うスキルは大学で学べない
大学で学ぶことのほとんどは、仕事で活用できません。
たとえば、日本の歴史を学んだとしても、仕事では役に立たず、単なる雑学になってしまいます。また、数学も使う業種は限られているでしょう。仕事で最も使うスキルは「コミュニケーション」や「社交性」です。
実際に、以下に挙げる方々は、高卒でありながら、ビジネスの場で成功しています。
- 鎌田和樹|UUUM株式会社
- 河村泰貴|株式会社吉野家ホールディングス
- 元谷芙美子|アパホテル株式会社
大学で学んだことをせずとも、ビジネスの場で成功できるということです。
入社後の努力によって変化する
入社後の昇進・昇給に影響を与える要因は、学歴よりも、仕事への取り組み姿勢や成果が大きいのです。
学校で学ぶ勉強はインプットであって、仕事で成果に結びつくのは「思考の質×行動量」のためです。
思考の質はインプットでできますが、学校で学ぶことは仕事で使う思考とは異なります。また、いかに思考の質が高かったとしても行動をしていないと全く成果は上がりません。
私の周りにも、良い大学を出ているが、考えてばかりで行動をしておらず、評価されない人もいます。
入社前に学んだ事よりも、圧倒的に入社後に学ぶことのほうが多いため、入社後の努力が成功のカギになってくるでしょう。
ここまで入社後は高卒も大卒も変わらない理由について解説しました。
- ぶっちゃけ大卒の派遣は多い
- 仕事で使うスキルは大学で学べない
- 入社後の努力によって変化する
確かに人生で見ても、大学は4年間、社会人は40年と10倍の差がありますもんね。
人生における時間ももちろん違いますね。では、ここからはどうして大卒で派遣をしているのかを見てみましょう。
一般的には大卒は正社員と言われがちですが、派遣をしている方にももちろん理由があるのです。
また、大卒に限らず、20代で派遣はもったいないのか?について深く解説した記事を準備しました。
大卒で派遣をしている3つの理由は?
ここからは、大卒で派遣をしている理由について考えてみましょう。
私が接する方の多くは次の理由で派遣社員をしています。
- 自分に合う仕事がわからない
- プライベートや仕事に専念したい
- 正社員の働き方に疲れた
それぞれの理由を見てみましょう。
やりたいことが分からない
大卒で派遣を選ぶ理由の一つに、自分に合う仕事が全く分からず悩んでいるというケースがあります。
派遣社員として働くことで、未経験でもさまざまな職種や業界を経験することができ、自分の興味や適性を見つけるチャンスが広がりますね。
例えば、新卒で大手企業や有名企業に就職できなかった場合でも、派遣先で実力を認められることで正社員への道が開けることがあります。
プライベートや副業に専念したい
やりたいことが仕事以外にあり、派遣を選ぶことで労働条件を選ぶことができるという理由もあります。
正社員と比べて時間の自由度が高く、プライベートや副業に専念しやすい環境が整っています。
また、派遣社員は拘束時間が短く、休暇も取りやすいため、自分の時間を大切にしたい人にとって魅力的な働き方です。
正社員の働き方に疲れた
正社員で働いていたが、労働時間が長かったり、責任の重圧が凄かったから疲れたという理由で派遣を選ぶ人もいます。
正社員は仕事におけるプレッシャーや責任が重く、ストレスを感じる人も多いです。一方、派遣社員は責任範囲が限定されており、精神的な負担を軽減できることが魅力です。
また、人間関係のストレスが辛い場合も、派遣社員として働くことで環境を変えやすくなります。
大卒で派遣はもったいない?派遣を選ぶ4つのメリット
ここからは大卒で派遣になるメリットを見てみましょう。
次の4つがあります。
- さまざまな仕事を経験できる
- 転勤や異動がない
- 働き方を選べる
- 採用率が高くなる
それぞれ簡単に解説していきます。
さまざまな仕事を経験できる
派遣社員として働くメリットの一つは、さまざまな職種や業界での仕事を経験できることです。
これにより、自分の適性や興味を見つけるチャンスが広がります。
例えば、IT業界で働いてみたいと思っていたが、実際に派遣で働いてみて、自分にはマーケティングの方が向いていることが分かったというケースがあります。
転勤や異動がない
派遣社員は正社員と違い、転勤や異動が発生しないため、自分の生活スタイルに合わせた働き方ができます。
これにより、家族や友人との時間を大切にできるだけでなく、地域に根ざした活動にも参加しやすくなります。
働き方を選べる
派遣社員は、働く時間や期間、仕事内容などを選ぶことができます。
これにより、自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせた働き方が可能です。例えば、子育て中の方が、短時間勤務や時短勤務の仕事を選ぶことができます。
採用率が高くなる
派遣社員として働くことで、実務経験を積むことができます。
派遣社員は未経験でも入社できる確率が格段に上がりますからね。
これにより、将来的に正社員への転職を目指す際に、採用率が高くなることが期待できます。
また、派遣先で実力を認められることで、正社員への道が開けることもあります。
派遣社員は、昇給を狙っていきたい方や安定思考の方には向いてません。
しかし、
- 勤務条件や働く場所を指定し決められた期間で働きたい人
- その期間でスキルアップを目指したい人
- 未経験だけどやりたい業種がある方
には向いている働き方です。
派遣社員から正社員になる方法は?
派遣社員から正社員を目指すメリットは
- 事前にその職場を派遣社員として勤務できる
- 未経験でも大手企業の直接雇用を目指しやすい
- 転職で入社後の失敗が少ない
です。
派遣社員から正社員になる方法は次の3つがあります。
- 紹介予定派遣を利用する
- 無期雇用派遣を選ぶ
- 登録型派遣から直接雇用を目指す
それぞれの解説しますね。
紹介予定派遣を利用する
派遣先企業への直接雇用を目指すのであれば、紹介予定派遣を利用するのがおすすめです。
最長半年間、その職場に派遣社員として勤務した後に直接雇用になるかどうかを判断できます。
そのため職選びに失敗しにくいんですね。
一方で紹介予定派遣は辞めたほうがいいという声もあります。
デメリットも知っておくことで正しい選択を取ることができるのではないでしょうか。
無期雇用派遣を選ぶ
無期雇用派遣とは、派遣会社との間に期限を定めずに雇用契約を結び、派遣スタッフとして働く仕組みのことです。
無期雇用派遣のメリットとしては次の通り。
- 長期にわたって同じ職場で働ける
- 収入が途切れる心配が少ない
- 基本的に月給制になる
- 有期雇用より業務の幅を広げられる
一方で、無期雇用派遣にはデメリットも存在します。例えば、「仕事紹介を断れない」ことです。
無期雇用派遣は長期的に安定するものではありますが、人によって向き不向きが露骨に分かれるのです。
無期雇用派遣についてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみるといいでしょう。
登録型派遣から直接雇用を目指す
登録型派遣から直接雇用を目指すことも可能ですが、
なかなか難易度は高いです。
不人気職種である販売業やサービス業、コールセンター業で見ると登録型派遣から直接雇用を目指すことは現実的です。
しかし、事務職など人気職種を狙う場合は、よっぽどスキルが高くない限り難しいでしょう。
もし人気職種を狙う場合は、上述した「紹介予定派遣」「無期雇用派遣」を利用することを強くおすすめします。