
「無期雇用って正社員だから安定していますか?」



「無期雇用派遣はやめとけって出てきたけど、何を辞めておいたほうがいいの?」



「安定をしていきたいと思っているけど、スキルもないから将来が不安」
無期雇用という言葉だけで、安定と捉えてしまう方もいらっしゃいますが、それは間違いです。
5年後に後悔が待っている人もいます。
そして派遣会社の営業は長期雇用をするために、上手く無期雇用派遣の魅力を伝えてくるでしょう。
私自身も無期雇用派遣の促進も行っていますし、無期雇用派遣に切り替わった後の方々も担当しています。
簡単に自己紹介


この記事では、無期雇用派遣がなぜやめとけと言われるのかの真相を探り、「無期雇用派遣が向いている人・向いていない人の違い」、無期雇用派遣以外の方法で安定する方法を解説いたします。
記事を読むことにより、無期雇用派遣の事を知り、正しい情報を持った状態での判断ができるようになるでしょう。
失敗から学ぶこともありますが、最短で安定する道を選んでほしいと思い、この記事を執筆致しました。
無期雇用派遣が気になっている方、失敗したくない方は是非一読ください。
- 純粋に無期雇用派遣のことを知りたい
- そろそろ派遣の勤務が5年を迎える人
- 無期雇用派遣は辞めるべきだ!と根拠を固めたい人
- 安定する別の方法を知りたい
【前提知識として】無期雇用派遣(常用型派遣)とは
「無期雇用派遣」は、期間の定めのない派遣社員と思ってもらえるとわかりやすいです。
常用雇用型派遣は、派遣先の企業が決まっているか否かに関係なく、派遣会社の社員として採用されます。
要は、派遣会社との雇用契約が結ばれた時点から働き始めます。
就業先企業での就業が終了した場合でも、雇用契約は継続され、派遣会社から次の就業先企業を紹介されます。
また、就業先が見つからない場合は待機期間になったり、派遣会社内での就業になります。
派遣でありながら派遣会社の社員としての登用となるため、就業期間の制限がない雇用形態です。
派遣先企業で働くこと自体は普通の派遣と同じですが、雇用契約が継続されるため、安定した雇用と収入が保障されるものです。
無期雇用派遣(常用型派遣)のおさらい


ここでは無期雇用派遣と、他の雇用契約の違いと無期雇用派遣のなり方について解説致します。
正社員・無期雇用派遣・有期雇用派遣の違い
違いを見ていきましょう。
無期雇用派遣 | 有期雇用派遣 | 正社員 | |
---|---|---|---|
雇用主 | 派遣会社 | 派遣会社 | どこかの会社 |
雇用期間 | 期間の定めなし | 期間の定めあり | 期間の定めなし |
派遣期間/抵触日 | なし | 同じ派遣先で3年まで | なし |
業務の指揮命令 | 派遣先企業 | 派遣先企業 | どこかの会社 |
給料 | 月給制 | 時給制 | 月給制 |
ボーナス | ややあり | なし | あり |
昇給 | あるけど厳しい | なし | あり |
退職金 | 派遣会社による | なし | あり |
福利厚生 | 正社員同等 | 正社員同等 | あり |
副業 | しにくい | しやすい | しにくい |
退職のしやすさ | しにくい | しやすい | しにくい |
失業保険 | 失業保険の待期期間がある | 自己都合退職になりやすい失業保険の待期期間が短い | 期間満了終了になる失業保険の待期期間がある | 自己都合退職になりやすい
無期雇用派遣は雇用の定めがなく、安定して仕事の紹介が受けられる一方で、昇給が難しく、退職しにくいデメリットがあります。
無期雇用派遣社員になるには?
下記2パターンあります。
- 無期雇用派遣の採用選考を通過する
- 有期雇用から無期雇用派遣に転換する
そもそも無期雇用派遣は、労働契約法18条で定められた【有期労働契約が通算5年を超えたときは、労働者の申し込みによって期間の定めのない無期労働契約に転換できる】というルールからうまれたものです。
現在では入社時から無期雇用派遣で受け入れる会社も増えましたが、そもそもは有期雇用者の措置として取られていたのです。
そのため、無期雇用派遣になるための主流となるのは5年の期間満了を持って無期雇用派遣に切り替える方が多いでしょう。
また、必ずしも5年経過をしていなくても大丈夫で、派遣会社に相談することで無期雇用派遣に切り替える事も可能です。
両方とも選択が可能ですので、本記事を見た後に決めても遅くないと思います。
無期雇用派遣がやめとけと言われるデメリット6選


無期雇用派遣がやめとけと言われる理由は下記のデメリットがあるためです。
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ひとつひとつ解説します。
【最大のデメリット】仕事紹介を断れない
無期雇用は希望する仕事を選ぶことができない特徴があります。
派遣会社の社員という扱いになるため、「配属指示」になるからです。
ライフスタイルや働き方に合わせた希望を重視する場合には、無期雇用は不向きといえるでしょう。
結果として希望しない仕事をしなければならないことも多いです。
一方で、有期雇用(一般派遣)であれば、自分の希望条件を伝えて、その希望条件に沿った仕事を派遣会社が選んでくれます。
選択権が「あなた自身にあるのか」「会社にあるのか」は大きな違いでしょう。
そして、無期雇用の紹介される仕事は、派遣会社が扱っている仕事すべてが対象となります。
無期雇用派遣で紹介される仕事の中には、人気がない仕事も含まれます。
例えば、土日祝日を含むシフト制、残業時間が多い仕事、駅からの通勤が不便などです。
希望する仕事を全く紹介しないということはありませんが、人気のない仕事の紹介が多くなることもあります。
無期雇用の場合、注意すべきポイントとしては、紹介された仕事を断れないこと、希望しない仕事も紹介される可能性があることです。
昇給制度が曖昧で給料が上がりにくい
昇給制度は曖昧であり、明確にされていないことが多いです。
無期雇用派遣だったとしても、派遣という立場状、常に不安定な状況に置かれています。
給料を上げるためには、企業からの評価が必要不可欠ですが、派遣先の企業が持つ情報に基づいて評価が行われるため、派遣会社によっては正確な評価が得られないこともあります。
無期雇用派遣のキャリアアップやスキルアップも派遣会社によってサポートされるため、必ずしも派遣先企業が求めているスキルに合ったスキルアップを提供できる保証はないのです。
このため、無期雇用派遣では給料が上がる可能性は低くなっています。
派遣社員のメリットがなくなる
派遣社員のメリットは下記です。
- 働き方を選べる
- 勤務地を選べる
- 転職までの繋ぎとして働ける(期間更新を狙った繋ぎ派遣)
これらが、無期雇用派遣になることによって、すべてなくなります。
一般派遣で働く場合にはメリットがあります。働き方を選ぶことができたり、勤務地を選ぶことができたり、転職までの繋ぎとして働くことができたりするといった点があげられます。
しかし、これらのメリットは無期雇用派遣になることですべてなくなります。
無期雇用派遣は、派遣会社の指示に拘束され、働き先を選ぶことができないという性質があります。
要は、派遣社員だったときには勤務時間や勤務曜日を選ぶことができましたが、無期雇用派遣になると、会社に従わなければならないという状況がになるのです。
会社が提示する仕事を断ることができないということは、それが退職の際に「自己都合退職」となることを意味しています。
このように、無期雇用派遣になることでは、派遣社員として持っていたメリットがすべてなくなり、絶対に雇用する義務があるという拘束があるということになります。
退職の際、無期雇用派遣は大抵「自己都合退職」
上記でも少しふれましたが、無期雇用派遣になった場合は大抵「自己都合退職」になってしまいます。
派遣会社があなたに仕事を依頼していますが、あなたがその仕事を断ったとみなされるためです。
また、勤務条件に不一致があった場合も、常識の範囲内にはありますが会社ではなく自己責任になるためです。
例えば、あなたが無期雇用派遣で働いていたとして、ある日、あなたが働きたい勤務時間や勤務曜日に合わない仕事が依頼されました。あなたがその仕事を断った場合、派遣会社は仕事を紹介したのに、断ったのはあなた。要はそれが「自己都合退職」とみなされます。
また、仕事の質に不満を持って退職した場合も、同様に「自己都合退職」になります。
希望の条件じゃない仕事で働いて、仕事に身が入らず、成果も出ない。この悪循環から退職を考えることもあるでしょう。
これが理由で退職を申し出ても自己都合退職になることには変わりありません。
どうしてここまで自己都合退職というのか?その理由は下記です。
- 失業保険給付の期間が違う
- 転職の際に弱くなる
自己都合退職になることにより、失業手当に下記の違いが出ます。
自己都合退職 | 期間満了終了 | |
---|---|---|
失業給付時期 | ・失業給付を受けるまで2か月以上必要 | ・失業給付を最短1か月後に受け取れる |
転職での経歴 | 履歴書に「一身上の都合により」と記載 | 履歴書に「期間満了により」と記載 |



期間満了は一週間の待期期間で失業手当が給付されるんじゃないの?
そう思われた方もいると思います。
派遣社員の場合はちょっと特殊です。離職票が発行されるのが1か月後のためです。すぐに発行する義務もないんですね。
失業保険は離職票が発行されない限り給付されません。
無期雇用派遣から正社員は非現実的
理由は2つあります。
- 既にあなたが長期的に働けるようになっているため
- 派遣先企業の直接採用の道が遠のくため
無期雇用派遣は長期的な仕事ができることが前提であり、正社員とは異なる雇用形態です。
しかし、無期雇用派遣になってしまうと、正社員への道が遠ざかってしまいます。
派遣会社は、リスクを最小限に抑えて長期的な雇用を行いたいと考えています。
そのため、既に長期的な仕事ができるようになっている無期雇用派遣のあなたに対して、正社員への道を提案することはないでしょう。
派遣会社は安定して勤務してもらえればいいと考えるからです。
また、派遣先企業に「無期雇用派遣」であることを知らせるため、派遣先企業が諦めてしまい、直接雇用の道が叶わなくなる可能性があるということです。
本来は入社3年後には正社員への昇格もあった可能性があったのに、その道が途切れてしまうことがあります。
ボーナスはあたるけど・・・
ボーナスはあたることが多いですが、年に2回の約10万円ずつ支給が多いです。
ボーナスは、仕事に対する評価や成果に対する報酬として支払われます。
無期雇用派遣においてもボーナスはありますが、正社員と比較すると金額が少ないことが多いでしょう。場合によってはボーナスなしの場合もあります。
正社員ではボーナスは月給の1〜2倍が普通とされており、これに対して無期雇用派遣では月給の約半分以下のボーナスが支払われることが多いです。
このことから、年収においては正社員の方が有利であると言えます。
例えば、月給が24万円だとします
無期雇用派遣であれば、年に2回、各10万円のボーナスが支払われます。これに対して正社員だった場合は月給の1〜2倍である48万円のボーナスが支払われます。1年に計算すると76万の違いが生まれますね。
このように、年収においてはボーナスが大きな差です。
無期雇用派遣ではボーナスは確かにあたりますが、金額が寸志であるために年収はあまり変わらない方がほとんどです。
無期雇用派遣を選ぶメリットもある


無期雇用派遣にもメリットはあります。
それぞれ解説します。
就業環境を選ばなければ安定する
無期雇用派遣は必ず派遣会社はあなたの雇用を守らなければなりません。
派遣会社により、勤務条件や扱う業種はさまざまでしょう。
あなたが、絶対この条件じゃないとダメだ!この業種じゃないと嫌だ!という希望をグッと我慢することで仕事は必ず紹介してくれます。
収入が途切れることはない
上述したとおり、就業環境を選ばなければ安定します。
そして、万が一派遣会社が仕事を準備出来ず、あなたの勤務先がない場合でも給料が出るんです。
しかし、いざ仕事が無くなったとしても、派遣会社が仕事を取ってきてくれるのは大変便利ですし、なによりも楽です。
とはいえ、遅刻ばかりしていたり、会社のルールに違反した行為を繰り返していると切られますのでご注意くださいね。
時給制から月給制になる
時給から月給に変わることのメリットは、月によって、給料が変動しないことです。
時給制だった場合、働かなかった時間分だけ減給されますが、月給制では既に出勤日数が決まっているため、安定した収入が得られます。
例えば2月がいい例で、時給制の場合は出勤日数が減るため通常の月よりも収入が減るでしょう。
その点、月給制であれば会社の定めた日数のため暦が少ない月だったとしても満額給料がもらえるのです。
また現在では「みなし残業」を取り入れている無期雇用派遣はほとんどありません。残業した分しっかりと給料が入ることも魅力の一つでしょう。
正社員だった場合はサービス残業がまだまだ横行していますからね。
1つの企業で長く働ける(3年以上長期的に勤務可能)
無期雇用派遣になると、3年ルールが撤廃されます。
どれだけ職場環境がよく、長く続けたかったと思っていても物理的に無理だったものが、無期雇用派遣により可能になります。
もちろん、無期雇用派遣以外にも「派遣先企業の直接雇用を狙う」ことで、3年以上勤務することは出来ます。
しかし、以下の理由から正社員ではなく派遣社員であることを望むのも事実です。
- 仕事の責任感は最小限にしたい
- 旦那の引越しにより、いつ退職になるか分からない。派遣会社であれば全国にあるから次も仕事紹介してくれる
- プライベートでやりたいことがある
上記は一例に過ぎませんが、必ずしも全員が正社員を望んでいるわけではなく、派遣社員で長く務めたい方もいるのです。
派遣社員として生きていくことも、もちろん可能です。下記の記事で詳しく解説しています。


無期雇用派遣が向いてる人の特徴


下記に当てはまる人は無期雇用派遣が向いているといえます。
- 昇格は狙っていない人
- プライベートの時間を最優先に考えたい人
- 派遣の働き方を続けていきたい人
- 40代、50代の方
それぞれ解説します。
昇格は狙っていない人
昇格を狙わない人には最適の働き方です。
理由は下記です
- 変にストレスがかからない
- 部下を持ちたくない
- マネジメントよりもプレイヤーとしてやっていきたい
- 重要な判断は避けたい
- 本気でやりたいのは仕事ではない
昇格が全てではありません。
今や副業も主流になっていますし、昇格で得られる生活の豊かさよりも、副業で得られる裕福さの方が勝っていたりしますからね。
正社員で月収10,000円あげるのと、副業で10,000円稼ぐのではどちらの方が楽なことか。。。
プライベートの時間を最優先に考えたい人
正社員での働き方と違い、仕事よりもプライベートを優先した働き方が可能です。
正社員はその会社の経営が傾くと、リストラになってしまうためです。
対しての派遣社員は、会社の利益は正直関係ありません。
もちろん会社の利益を考えながら勤務する方がキャリアアップには繋がると思います。
しかし、会社を何とかしないとと考えるあまり、「休日出勤」「サービス残業」になってしまうことがあるのです。
無期雇用社員とは正直関係ありません。プライベートの時間を大切にしたい人は向いている働き方です。
派遣の働き方を続けていきたい人
派遣の働き方は以下のメリットがあります。
- 給料が一定数ある
- 責任感が低い
- やりたいことに専念ができる
- 派遣会社のサポートがある状態で働きたい
- 今の会社で長く続くかわからない
このように無期雇用派遣でも派遣会社の恩恵を受けることができます。
正社員では責任感のある仕事や、すべての業務を担う必要がありますが、無期雇用派遣でも派遣先企業としては派遣社員のため、ある程度決まった仕事で依頼されることが多いんですね。
また、派遣会社のサポートが必要な人も一定数います。
なにかトラブルがあった際には派遣営業が仲介に入ってくれますし、派遣会社のスキルアップ研修も準備されているでしょう。
ビジネスの基礎に不安のある方はメリットのある働き方といえます。
40代、50代の方
40代、50代の方には無期雇用派遣は大きなメリットがあります。
理由は以下の2つです。
- 年齢が高くなると派遣先が見つかりにくいが、派遣会社がカバーしてくれる
- 自分自身の培った経験を活かせる
正直派遣社員でも正社員でも年齢を重ねる事を転職が難しくなります。
人によっては、友人のつてで入社したり、取引先に就職したりとやり方はさまざまでしょう。
企業は将来性のある優秀な社員を欲しがります。これは派遣でもそうです。
そのため40代を超えると転職領域では不利なんですね。これをカバーしてくれるのが無期雇用派遣です。
派遣会社から採用されればあとは派遣会社から依頼された仕事を受けるだけです。
探す手間が省けます。
そしてあなたに派遣先を紹介できなかったとしても、給料という支援を派遣会社から受けることができます。
無期雇用派遣が向いてない人の特徴


無期雇用派遣の働き方が向いていない人の特徴は3つあります。
- 向上意欲のある方
- 20代、30代の方
- 副業をしたい方
それぞれ解説します。
向上意欲のある方
向上意欲のある方は向いてません。
働き方が派遣と同じ働き方のためです。
配属先は派遣会社ではなく、派遣先企業になります。派遣先企業としてみると、一般派遣でも無期雇用派遣でも同じなんですね。
1年同じ仕事を続けたけど、責任のある仕事は派遣先企業の正社員がやっている。
中にはあとから入ってきた派遣先企業の正社員が上司になることもあるでしょう。
あくまでも派遣社員の立ち位置は「派遣先企業への労力の提供」です。会社の方針を決めたり、大きな判断を任されることはなく、判断されたものに対してタスクをこなしていくことが多くなるのです。
もちろん人によっては責任感のある仕事をしている派遣社員もいますが、頭打ちはあるでしょう。
向上意欲のある人は向いていない人の特徴です。
20代、30代の方
一般派遣で繋ぐか、正社員を狙ってください。
理由は下記です。
- 未来がある(転職市場で価値が高い世代)
- 無期雇用であなたの時間を削ることはしない方がいい
- 振り返った時に大抵の方が後悔している
これを書くと、無期雇用派遣を促進している派遣会社から以下の反論があるかもしれません。
- 無期雇用派遣もちゃんとした働き方だ
- 将来性はある
- 派遣会社のキャリアアップ支援が受けられる
確かに一理あるかもしれません。
しかし、キャリアアップ支援を派遣会社に頼る前に、自身で転職活動してからの選択肢ではないでしょうか?
人によっては、派遣会社の支援がないと勤務できない・不安という方はいらっしゃいます。私も多くの方と接してきました。
しかし、初めから無期雇用派遣を促進するのは間違っています。
自分で頑張った結果、それでも難しかった場合に無期雇用派遣を選ぶべきでしょう。
副業をしたい方
無期雇用派遣でも副業可能としている会社は多いです。
しかし以下の弊害があります。
- 勤務条件が就業先により変わる
- 有期派遣雇用よりも副業がしにくい
大事なところなのでそれぞれ解説します。
無期雇用派遣は就業先を断ることが難しいです。派遣会社の指示された職場にいきます。
例えば今まで副業を土日に行っていたにもかかわらず、土日が仕事になった場合、副業がパーになってしまいます。
副業での取引先へ多大な迷惑をかけることでしょう。
また、有期雇用では、担当営業のOKで副業出来ていたのに、無期雇用に変わったら会社へ副業申請が必要になることもあります。
有期雇用と無期雇用では役割が変わるためです。
中には副業申請したけど通らなかったという場合も出てくるでしょう。そのことから副業が出来なくなった例もあります。
もし、有期雇用から無期雇用に変わる際は必ず会社の副業規定を調べた上で考えましょう。
安定を望むのであれば無期雇用派遣じゃなくてもいい


無期雇用派遣は安定して勤務ができます。
しかしそれ以外の要素が不安定です。
それ以外の要素は以下4点
- 収入
- 昇格
- 勤務地安定
- スキルアップ
上記が不安定の場合、どのようなことが起きるのか?
一例をあげるとこうです。
- 結婚まで踏み出せない
- 年齢を重ねたときに周りの人よりもスキルが劣っている
- 勤務地が急に遠いところに行き、プライベートでの時間が取れなくなった
あくまでも一例です。
無期雇用派遣で安定を考えるのではなく、下記の方法で安定を考える必要があります。
- 一般派遣でつないでから正社員を目指す
- 初めから正社員を狙う
- 一般派遣+フリーランスで稼いでいく
- 【マインド】結局安定するかしないかはあなた次第
それぞれ解説します。
一般派遣でつないでから正社員を目指す
派遣をつなぎとして利用する方法をおすすめします。
一般派遣とは長期派遣と短期派遣を指します。
長期派遣とは?短期派遣とは?
長期派遣 | 短期派遣 | |
---|---|---|
雇用期間 | 3か月以上 | 3か月未満 |
更新有無 | 有 | 無 |
社会保険加入 | 有 | 無が多い |
業務内容 | 専門知識を要する | だれでもできる仕事が多い |
無期雇用派遣に比べて一般派遣では契約期間更新があります。
この期間更新時期を見計らうと辞めやすい傾向にあります。
つなぎで派遣を利用している方の多くが転職活動に励んでいます。
派遣で繋ぐことにより下記のメリットがあります
- 空白の期間がなくなる
- 転職活動の時間を使うことが出来る
- お金が無くなる心配がない
つなぎ派遣のメリットは【決定版】派遣を正社員までのつなぎとして使うのはありです!10個のメリットと注意点でも解説しています。
そして、無期雇用派遣では派遣会社が仕事を選別し、それに合わせる必要がありますが、一般派遣ではあなたの条件にあった仕事を紹介します。
少し内容が似ていると感じることもありますが、全く違います。
勤務条件の主軸が「派遣会社主体」なのか「あなた主体」なのかです。
条件を絞ることにより転職活動に応じた勤務条件を選択することができます。
余談ですが、この勤務条件を厳しくしすぎると逆に派遣会社から連絡が来なかったり、仕事を紹介されなくなります。
下記の記事で詳細を解説しています。




初めから正社員を狙う
無期雇用派遣よりも正社員の方が給料が高いです。
理由は以下です。
- 派遣会社が仲介になっているため、金額を抜かれている
- ボーナス金額が違う
派遣会社は仕事の仲介に入っている会社です。仲介に入る以上仲介手数料はかかります。
それがマージン率です。
マージンとは
派遣先企業から派遣会社に支払われる派遣料金からあなたに支払う賃金を引いた金額です。
要は、派遣会社がどれだけ給料を抜いているかということです。
マージン率は派遣会社のHPに掲載されます。
そして、派遣先企業から派遣会社に入ってくる金額は一定です。だからこそ給料が頭打ちになるんですね。
対して、正社員の給料の頭打ちはなりにくいです。
会社の利益が上がり、成果を出すことによりボーナスに反映されたり、給料にも反映されることがあります。成果に応じてインセンティブを出している正社員も多いですね。
仮にあなたが正社員ではなく、派遣会社を仲介するメリットは以下です。
- 派遣会社のサポートが受けられる
- 仕事がなくなっても派遣会社が何とかしてくれる
自分でなんとかできる人であれば必要ないですね。
一般派遣+フリーランスで稼いでいく
一般派遣とフリーランスで仕事をしても安定性が出てくる可能性があります。
無期雇用派遣ではまだまだ副業に対して動きにくい側面があります。
それに対し、一般派遣では副業やフリーランスに充てる時間を取ることができますし、派遣会社も公認しているケースが多いでしょう。
本気でフリーランスに使う時間を捻出できる状態が作れます。
今現段階ではフリーランスでそこまで受注できていなかったとしても、今後事業が発展していった際に、個人事業主としてやっていくもよし。副業が本業の収入を上回ることもあります。
トータル年収では正社員よりも、このフリーランスとの組み合わせをしている派遣社員の方が稼いでいることはちょこちょこありますよ。
下記は私がおすすめする長期派遣の派遣会社です。
もちろん無期雇用派遣も促進していますが、長期派遣をおすすめします。
【マインド】結局安定するかしないかはあなた次第
マインドの話になりますが、結局安定するかしないかはあなたの仕事に対しての向き合い方によって変わります。
派遣がいくら安定しないと言われても、安定している人は一定数います。
それは仕事に対しての向き合い方がかかわってきます。
私が見てきた中で、派遣社員で安定している人の特徴を解説します。
派遣社員で安定している人の特徴は「仕事の目的を考えている人」であることが多いです。
参考に具体例をお伝えします
仕事をバリバリこなしていけるように頑張ってる
できる仕事の幅を広げるように頑張っている
もし上記に当てはまった場合は仕事の方向性が間違っているでしょう。
あなたである価値を派遣先企業に提供することを意識してみてください。
派遣先企業が何に悩んでいて、何が必要なのか。これを考えて行動していくといいでしょう。
例えば資料作成を依頼されたとき
例えば、新商品の提案資料だった場合、会社のゴールは成約だとします。
ここで資料作成をゴールにしてしまうと、最終的にクロージングができる資料になっていなかったり、話の趣旨がずれてしまっている資料になったりします。
これではあなたである価値はないですね。
無期雇用派遣でよくある質問4選


下記の質問が多いです。
- 無期雇用派遣でも派遣先の正社員に転籍することはできますか?
- 無期雇用派遣のボーナスはいくら?
- 無期雇用派遣は誰でも受かりますか?
- 配属先が決まらないことはありますか?その際はどうなりますか?
【まとめ】無期雇用派遣で決める前に長期派遣や正社員の仕事で動いた方が良い


私はこの記事を書いている2023年2月現在でも大手派遣会社の責任者をしています。
そして、本業では無期雇用派遣を促進しています。
それは、無期雇用派遣の方が魅力的に見えて、求職者を集めやすいためです。
求職者が集まると売上が上がります。
しかし、ブログは本業ではありませんし、本心を語ってもいいものだと、知らない人が言っていました。
だからこそ、私の本心をこの記事に記しました。
もしかするとこの記事を見た派遣会社の担当は否定することでしょう。
しかし、この記事を読んでくれている方に失敗して欲しくないという思い一心で書いたのも事実です。
もし無期雇用派遣を初めから目指している方が居たら、一般派遣から、もしくは正社員を狙うことをおすすめ致します。