派遣社員として勤務する場合、まずは派遣会社の登録会を行う必要があります。
ここで多くの方はこのような疑問を持ちます。
派遣会社の登録会って面接?

履歴書は必要なのか?何を聞かれるのか?

そもそも何するの?


派遣登録は、派遣社員として仕事をする上での最初の壁です。
派遣登録会での内容次第で仕事の紹介有無が変わることもあります。
簡単に自己紹介

この記事では現役派遣営業をしている私が、派遣営業目線で登録会で大事なポイントや会社があなたを見ているポイントを解説します。
- 派遣登録会の流れ
- 派遣登録会で聞かれること
- 服装や持ち物
- 派遣登録会で落ちることはあるのか?
- 採用されやすい人の共通点
派遣登録の流れ(全体で30分~1時間)
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派遣登録会には大きく4つのSTEPに分かれています。
基本的には派遣会社の担当営業が主導になって進めてくれるので安心してください。
またSTEP1〜STEP3までは登録会の前までに入力をお願いされるケースもあります。
登録した派遣会社によりやり方に違いがありますので、派遣会社の指示に従いましょう。
それぞれのSTEPで大事なポイントも含めて解説します。
STEP1.派遣の仕組みの説明(5分)
派遣会社は派遣の仕組みを伝えることが義務付けられています。
そのため派遣のルール、仕組みを説明されることが多いでしょう。
会社によっては動画で説明がある場合もあれば、登録会前に事前に渡される場合もあります。
すべてを覚える必要は全くありません。
それよりも聞く姿勢が大事です。
ここで派遣営業が見ているポイントは以下の通り
派遣営業が見ているポイント
- 聞く姿勢があるか
- 登録会ブースに案内された際にマナーがあったか
ただ聞くだけの時間ですが、ここでも真面目にいった方がポイントは高いでしょう。
STEP2.勤務条件の登録(3パターンあり)(15分)
- パソコンで入力
- 書類に記入
- 面談時に口頭で確認
派遣会社が特に重要視している勤務条件は以下の通りです。
- 通勤可能範囲:通勤時間何分以内希望か
- 勤務期間:1年以上希望か短期単発希望か
- 希望時給:最低可能時給
- 勤務曜日:平日のみの勤務か土日を含めた勤務か
- 勤務日数:週5日勤務可能か
- 勤務時間:何時から何時まで勤務可能か
またここで職務経歴やその他の情報も入力していきます。
お仕事を紹介されやすくするプチポイント
勤務条件は、ガチガチに固めていくのではなく、「がんばったら行けるな」と思う条件で登録しておくといいでしょう。
派遣会社もお仕事が無数にあるわけではありません。勤務条件が厳しすぎる場合、お仕事紹介ができない確率が増えます。
STEP3.【必要に応じて】スキルチェック(10分)
職種によりスキルチェックがあります。
スキルチェックは特に事務やコールセンターといったパソコンを触る仕事の場合が多いです。
逆に販売接客や営業職の場合はスキルチェックがないことがあります。
このスキルチェックは主に以下のことを行います。
- パソコンのタイピングテスト
- エクセルやワードの能力テスト
- 一般常識
- 適性検査
特にタイピングテストを行っている企業が最も多いです。
参考までに
一般事務を希望する場合は目安として1分間で日本語60文字入力が一般的に言われる実務レベルと思ってください。
このスキルチェックはあくまでも、あなたの現在のスキルを確認するものであって、実務スキルよりも「人間性」や「勤務条件」を重要視している企業の方が多いです。
スキルチェックが派遣登録の運命を分けるほどではありませんが、手は抜かずに全力を出し切ってやっていきましょう。
STEP4.担当営業と面談(30分)
派遣登録会で最も重要なポイントがここです。
担当営業と面談を行います。
私自身も数多くこの面談を行ってきましたが、この面談で登録会は左右すると思ってもらえれば大丈夫です。
派遣会社は登録会後、あなたを派遣先企業に提案を行います。
この提案する際に「人間性」や「特徴」を伝えることがあります。
派遣先企業へ提案するときのポイントをこの面談の中で洗い出しをしているため、この面談が大切ということです。
派遣営業は雑談を交えながら、あなたの過去の職務経歴や退職理由、勤務条件の詳細を聞いてきます。
中には「登録したときに伝えましたけど?」と重複する質問が来ることもあります。
それでも笑顔で回答していくことがいいでしょう。
またよく派遣営業と雲行きが怪しくなったという声を聞きますが、これは「勤務条件に合う仕事がない!」と派遣営業が思っているということが多いです。
雲行きが怪しくなった場合は「この勤務条件でご提案できそうですか?」と聞いてみることをおすすめします。
この質問は、他の派遣登録者が言ってこない内容のため、派遣営業から一目置かれることでしょう。
派遣登録で聞かれること

派遣登録会での聞かれる質問はある程度のパターンがあります。
基本的にはあなたの勤務条件と過去の職務経歴を聞かれることが多いです。
以下3つのカテゴリに分けて解説をしていきます。
- 必ず聞かれる内容
- 必要に応じて聞かれる内容
- あまり聞かれない内容
必ず聞かれる質問
以下3つは必ず聞かれる内容ですので、事前準備をしておくといいでしょう。
- 希望の勤務条件
- どんな仕事を希望しているか
- 今までの職務経歴
希望の勤務条件は以下が大切です
重要視している勤務条件
- 通勤可能範囲:通勤時間何分以内希望か
- 勤務期間:1年以上希望か短期単発希望か
- 希望時給:最低可能時給
- 勤務曜日:平日のみの勤務か土日を含めた勤務か
- 勤務日数:週5日勤務可能か
- 勤務時間:何時から何時まで勤務可能か
希望職種がある程度決まっている場合はいいのですが、万が一方向性が決まっていない場合は、派遣営業と一緒に決めていくといいでしょう。
最後に職務経歴。
職務経歴は事前に派遣会社に登録する際に入力することも多いです。
もし入力を済ましている場合は「退職理由」を聞かれます。それぞれの退職理由は答えられるように準備しておくといいですね。
必要に応じて聞かれる質問
- 志望動機
- 将来の目標
- 過去の退職理由
- 得意分野不得意分野
特にこの中では「前職の退職理由」を聞かれることが多いでしょう。
退職理由は「自己都合退職」とざっくりとした理由ではだめです。
なぜなら、派遣営業は「同じ理由で派遣会社を退職してほしくない」と考えるからです。
担当の営業が知りたいのはもっと深い理由を知りたいと考えています。
例えば以下のような理由です。
・上司と人間関係が合わず退職
・業務内容が過多になってしまい、改善要望を伝えても改善されなかったため
・給料があがらず将来不安を感じたため
一見するとネガティブに捉えられるじゃないかと思う内容かもしれませんが、転職は誰もが経験します。
すべてが満足している企業からの転職は考えないはずです。派遣会社に対してはネガティブな理由であったとしても伝えるといいでしょう。
きっと派遣営業はあなたの味方になってくれるはずです。
あまり聞いてこない質問
ほとんど聞いてこない質問があります。
- 自己PR
- 何ができるか?
この2点はほとんど聞いてこないでしょう。
派遣会社が求めているのは「安心して勤務してくれる人」「派遣先の指示にちゃんと従って動ける人」です。
自分のできる事を自発的にガンガンやっていってほしいとは思っていないんですね。
派遣登録で大事にするポイントは2つ

派遣登録で派遣会社が大事にしているポイントが2つあります。
派遣登録で大事にしているポイント
- 第一印象
- 勤務条件
派遣登録会ではこの2点から仕事を紹介されるかされないかが分かれます。
とりあえず派遣会社に登録だけしておくという場合は注力しなくてもいいかもしれませんが、絶対に仕事をもらいたいという場合は、絶対におさえていきたいポイントです。
詳しく以下の記事にて解説していますので、本気で採用を狙っている方は一読ください。

ポイントを簡単に解説します。
第一印象で8割が決まる
第一印象で大事なことは身だしなみと登録会の姿勢です。
身だしなみ
・服装はスーツで
・毛髪を整える(髪の毛、ヒゲ)
・匂いは気をつけよ(体臭、服の匂い、香水の付けすぎ)
登録会の姿勢
・声のトーンをワントーン上げてみる
・笑顔で挨拶を
・歩きながら挨拶をしない
こちらを意識するといいでしょう。
勤務条件は少し背伸びする
勤務条件の提示は少し背伸びすることをオススメします。
あなたがどれだけ優秀で、印象が良かったとしても、勤務条件が不一致だったらお仕事紹介されないためです。
例えば、通勤時間が30分以内のところが良いと思っていても、45分までなら大丈夫です。といった少し勤務条件を背伸びしてお仕事紹介を受けたほうが仕事の選択肢は広がるでしょう。
Web登録会だった場合のポイントは3つ
最近はWeb登録会を導入している企業が多いです。
Webでも対面でも、主な流れは変わりません。
しかしWeb登録会だからこそ気を付けないといけないこともあります。
- 背景がごちゃごちゃしていないか
- 通信状況
- 音質(ハンズフリーが〇)
背景が散らかっていないか
派遣営業は「自己管理が苦手な人かな?」と思ってしまいます。
派遣登録会ではいかにデメリットとなる点を減らせるかも大切なポイントとなりますので、できればWeb登録会の際は以下のようにしてみてください。
派遣会社独自の面談システムを使っている場合は背景設定はあきらめましょう。
たとえ家にいても登録会はビジネスの場であることには変わりありません。
通信状況
通信状況は住んでいる地区によっても変わりますが、できる限りWi-Fi接続したり、電波のいい部屋で受けるといいです。
稀に電波の状況が悪すぎて面談にならない方もいます。
その際はWeb登録会から電話での登録会に切り替えたりしますが、できれば円滑に登録会が進められる準備はしておきましょう。
音質(ハンズフリーが〇)
Web登録会での音質は非常に重要です。
音声が聞き取りにくいと円滑なコミュニケーションが取れなくなるからです。
ただでさえWebでの会話は通常の会話よりもやりにくいです。
アイコンタクトやジェスチャーでの言葉以外のやり取りができないからです。
命綱である音声も悪くなってしまうと派遣営業はお手上げになります。
できればハンズフリーイヤホンやアイフォンの純正イヤホンを使い音質のいい状態にしておきましょう。
web登録会での必勝法は以下の記事で詳しく解説しています。
もしweb登録会の場合は参考にしてみてください。

こちらから何を質問すればいい?

一通りの登録会が終わる頃、最後に必ず「何か質問はありますか?」と聞かれます。
一般的な面接であれば質問は準備しておいたほうがいいと言われますが、派遣登録会ではそこまで構えなくてもいいです。
質問をしなかったとしても、マイナスの評価になることは少ないです。
ただ、聞くとプラスの評価に繋がる質問もありますので、ここからは以下の2点に分けて解説します。
- 聞くと印象がいい質問
- 聞くと印象が悪い質問
聞くと印象がいい質問は就業意欲が伝わる質問
- 勤務までに取り組んでおくことはあるか?
- 事前に職場に行ってみてもいいですか?
- 派遣先企業が求めている人物像はどのようなものがありますか?
このように、「勤務に対しての意欲が見える質問」は好印象になります。
何度もお伝えしている通り、派遣営業はあなたの安心感を買います。
この質問をすることにより、今まで多少印象が悪かったとしてお挽回できるチャンスがあります。
そしてこの質問から話しが膨らみ、お仕事紹介に繋がったという事例は、私自身も何度も経験しています。
質問に困った場合は「意欲を見せる質問」を考えてみると良いでしょう。
聞くと印象が悪い質問は仕事の目的がズレてる質問
逆に聞くと印象が悪い質問があります。
それは勤務条件に対しての質問は登録会では控えた方がいいでしょう。
もう少し言うと、聞きすぎるとNGな質問です。
理由は2つあります
・勤務条件の縛りが厳しすぎて仕事紹介しても断ってきそうと感じるため
・要望ばかり言ってきて、扱いづらそうと思われるため
派遣営業はあなただけではなく、何人も同時進行でお仕事紹介を進めています。
できる限り円滑に時間短縮で進めたいと考えていますし、今後のトラブルも避けていきたいと思うことでしょう。
以下の3点に対しての質問は登録会では控え、登録会あとに来る「派遣会社からの仕事紹介」のときに確認していきましょう。
・給料に対して
・勤務時間に対して
・勤務曜日に対して
最も大事な部分が勤務条件というのは分かりますが、派遣登録会でいい印象を与えていかない限り、お仕事の紹介がされず、勤務条件どころではなくなるということは覚えておきましょう。
派遣登録会での服装や持ち物

派遣登録会での服装や持ち物は必要最小限で大丈夫です。
しかし、特に服装に関しては、登録スタッフの大半が私服で来ているからこそ、スーツを来ていくといいでしょう。
周りとの差別化をする一つのポイントになります。
それぞれ解説します。
服装はスーツがいい
業種により異なりますが、最も良いのはスーツです。
相手に安心感を与えるためです。
私服OKと言われることもありますが、仕事を紹介してもらう確率を高めるのであれば私服ではなくスーツがいいでしょう。
スーツを持っていない場合は落ち着いた格好やオフィスカジュアルをイメージしてもらうといいですね。
もし私服で行く場合は、間違っても近くのコンビニに行くような格好では行かないようにしてくださいね。
持ち物は3つだけ
持ち物は以下3点を持っていくといいです。
・印鑑
・本人確認書類
・振込口座
派遣登録会の際に振込口座や登録や誓約書の捺印をする場合があります。
派遣会社に登録した際の登録案内メールに記載されている事が多いので、見落とさずに見ておきましょう。
派遣登録会での服装や持ち物は以下の記事で詳しく解説しています。

履歴書は必要なし
派遣登録会に履歴書の必要はありません。
しかし、過去の職務経歴で「◯年◯月〜◯年◯月まで」と勤務期間を伝えるため、メモ書き程度でも過去の職務経歴はわかるようにしておいたほうが登録会の時短に繋がります。
派遣登録会で落ちることはあるのか?

ありますが、落ちる可能性は低いと思って大丈夫です。
落ちるよりも連絡がこない場合がほとんどであり、1週間連絡がこなかった場合は落ちたと思うのが無難でしょう。
連絡がこない場合はこちらの記事で解説しています。派遣会社の裏話も記載していますので是非参考にしてみてください。

明確に落ちる場合は以下2点の理由が多いです。
- 態度や言動が常識外れしている場合
- 派遣会社の正社員の採用だった場合
それぞれ解説します。
態度や言動が常識外れしている場合
例えば以下に該当すると落ちる可能性は高いです。
・「はい」「いいえ」しか言えず、コミュニケーションが取れない
・高圧的な態度や敬語を使えない
・会話できない
このように極端な場合にのみ落とす判断をします。
派遣会社の判断基準は緩いことが多いです。
それは派遣会社の財産は「人」であり、派遣会社の資金になるのが「人」だからです。
派遣会社は落ちるよりも、「仕事紹介されない」方が多いのではないでしょうか。
現在の派遣会社では登録型の派遣会社が多く、登録だけして、勤務条件に合う仕事が出てきたらご紹介するといった形が多いです。
派遣会社側も「不合格」と言わずに「登録だけしておきますので、お仕事見つかりましたらご連絡しますね」と言われるでしょう。
連絡が来なくて困ってる

何とか希望の仕事に就きたい

その場合、以下の記事も参考にして貰えればと思います。


派遣会社の正社員の採用だった場合
派遣会社の正社員採用の場合は落ちます。
一般的な派遣社員は「有期雇用(期間を定めた雇用)」に対して正社員採用は「無期雇用(期間を定めない雇用)」です。
通常、派遣登録会は「有期雇用」ですが、誤って正社員を受けてしまっていたということもありますので、その際は派遣会社から来ている案内メールを確認してみてください。
派遣登録会と書いてあれば問題ありません。
登録会での注意点

注意点は以下の2点
・登録会=採用ではない
・遅刻やキャンセルの場合は連絡を
登録会=採用ではない
採用は、職場の入社日が決まり、雇用条件通知書を貰ったら採用です。
登録会の段階では勤務先や入社日は決まりません。
登録会はまだSTEP2です

職場見学と言われる、派遣先企業への挨拶があるんですね。
よく勘違いされるポイントとして、派遣登録会に登録した段階で採用と勘違いされるパターンです。
だからこそ派遣登録会で「就労証明書は発行できますか?」と質問を受けることもありますが、発行することはできません。
入社日が決まり、雇用契約書が発行されたら採用になります。その段階になれば発行が可能になります。
次の関門の職場見学については下記の記事で完全マニュアルを解説しています。

遅刻やキャンセルの場合は連絡を
万が一ドタキャンした場合、ブラックリストに入る可能性が高まります。
連絡をせずに遅刻をした場合、「安心感がガタ落ち」するためです。
遅刻しそうと思った瞬間に連絡を入れるようにしましょう。
万が一遅刻しなかったとしても、連絡した行為を派遣会社は信頼のある人と捉えます。
派遣登録でよくある質問集7選

ここからは派遣登録でよくある7つの質問を解説します。
- 登録後すぐに仕事ができるか?
- 複数の派遣会社に同時登録してもいいのか?
- 登録会予約したけどキャンセルできるのか?
- 登録会後に登録抹消はできるか?
- 転職までのつなぎで期間限定の働き方だけど大丈夫?
- 未経験だけど大丈夫か?
- とりあえず登録だけはあり?
まとめ

今回の記事では、派遣会社の登録会の流れ、聞かれることを中心に解説しました。
派遣登録会は派遣社員として勤務する第1歩であり、最初の壁です。
- 派遣登録会は第一印象と勤務条件で左右される
- 登録会を行ったからといって採用されたという訳ではない
- 登録をしておいて損はない
- 登録後に勤務条件が変わったら連絡する
良い派遣会社との巡り会えることを願っています。