
正社員の働き方に疲れて派遣を考えてるんだけど、派遣の末路ってどうなの?

派遣の末路は3つあります。10年以上派遣営業をしてる中で、派遣で働いた人がどうなったのか?リアルをお伝えしますね。
この記事でわかること
- 派遣の末路って?
- 40代になったときに派遣ってどうなの?
- 派遣になったときってどんなメリットあるの?
私自身、新卒で正社員を経験した後、激務にやられ仕事に自信が無った末に退職。24歳で派遣を選びその後派遣の営業をしています。
正社員の働き方は会社の都合に振り回され、常に責任をおわされる一方で、誰も助けてくれない。
精神的にしんどいものです。
ふと、派遣ってどうなんだろう?と思っても、「安定しない」「終わってる」など世間の評判は悪い意見ばかり。
でも本当にそうなのでしょうか?
本記事では派遣の末路はどうなるのか?実際に私が派遣営業として40代、50代の方と多く接している経験から徹底的に解説していきますね。
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派遣の末路は3パターンある
派遣で働き続けることについて、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、統計をとると48.2%の方が派遣のまま働き続けたいと答えているんです。
でも、ご存知のとおり、派遣は同じ職場で働ける期間が原則3年までと決まっていますよね。
そうなると、「3年後はどうなるの?」「40代、50代になったら安定した生活は送れるの?」と心配になる気持ちになってしまいます。
派遣で働く方には、大きく分けて以下の3つの道があるんです。
- 派遣先の正社員となって安定する
- 副業などフリーランスとして働く
- 50代でオワコンになる
それぞれのパターンについて、詳しく見ていきましょう。
関連記事:派遣3年ルールで辞めたくない!抜け道を現役派遣営業が詳しく解説【ひどいよね】
①派遣先の正社員となって安定する
派遣の働き方の一つ目として、「派遣先の正社員となって安定する」道があります。
派遣からの直接雇用ということ。
重複しますが、派遣は原則として同じ職場で3年までしか働けないルールがあります。
そのため、3年という節目を迎えるときに、以下3つの選択肢を選ぶんですよね。
- 派遣先の直接雇用になる
- 派遣元の無期雇用になる
- 転職する
もし、その職場が自分に合っていて、働きやすい場所だったとしたら、そのまま直接雇用に切り替わって、安定した働き方を手に入れる人もいますよ。
直接雇用のいいところは、派遣として働いていた職場でそのまま働けるので、入社後のギャップを感じにくい点でしょう。

「新しい会社に入ってみたけど、なんか違った…」なんていう失敗が減るのは嬉しいですよね。

そうですね。派遣社員として働いている間に、自分に合っているか見極められるのは、メリットと言えます。
②副業などフリーランスとしては働く
二つ目の道は、「副業を始めたり、フリーランスとして活動したりする」という働き方です。
派遣は、職種にもよりますが、正社員と比べて残業や休日出勤が少ない傾向にあります。責任感も薄いので、精神的負荷も低いです。
もちろん、最初のうちは覚えることもたくさんありますが、一度仕事を覚えてしまえば、役職が上がることも基本的にないので、新しく覚えるべき業務がどんどん増える、ということは少ないのです。
そこで生まれた時間や心の余裕を、自分の好きなことや、別の収入源を作るために使う。私が担当している派遣スタッフの中にも実際に多くいらっしゃいますよ。
勉強の時間や仕事の時間をうまく調整して、副業やフリーランスとして活躍する道を選ぶのも、一つの賢い選択と言えるでしょう。
③50代でオワコンになる
最後のパターンとして、少し厳しい言い方になりますが、「50代で仕事が見つかりにくくなる」、いわゆる「オワコン」と呼ばれる状況になってしまうパターン。
30代くらいまでは、派遣の求人も多く、希望する条件の仕事に就きやすいです。
しかし、40代を過ぎると、残念ながら紹介される仕事の数が徐々に減ってくる傾向が…
40代以降は、希望する配属先があっても、応募の段階でなかなか通らない、ということが日常茶飯事となります。
また、その年齢から正社員を目指そうとしても、転職のハードルはかなり高くなっています。
結果として、派遣会社から紹介される限られた仕事の中から選ぶしかなくなり、そこで地道に働き続ける、という状況になってしまう方もいらっしゃるのが現実なのです。

40代、50代になったときにどうなるのか、これは多くの方が気にされている点だと思いますので、次の章でさらに詳しく解説していきますね。
派遣の末路は?~40代50代になったらどうなる?~
さて、派遣で働き続けた場合、40代や50代になると具体的にどのような状況が考えられるのでしょうか。
派遣のリアルについて見ていきましょう。
50代になると起こること
- 給与が上がらず今後の不安を抱える
- 契約更新が難しくなり雇用が不安定に
- 直接雇用も受け入れてくれなくなる
- 40代になったら正社員転職は絶望的

それぞれ掘り下げます。
①給与が上がらず今後の不安を抱える
40代、50代になっても派遣で働き続ける場合、まず考えられるのが「給与が上がりにくく、将来への不安が大きくなる」ことです。
派遣社員と正社員では、生涯にわたって得られる収入に大きな差が出ることが一般的です。
以下の違いがあります。
雇用形態 | 月収(例) | 生涯年収(試算) |
---|---|---|
派遣社員 | 約25万円 | 約1億2千万円 |
正社員 | 約35万円 | 約2億円以上 |
※上記はあくまで一例であり、職種や勤続年数、役職などによって大きく異なります。
表からも分かるように、月々の収入だけでなく、生涯で考えると大きな差が生まれるんですよね。
もちろん、お金が全てではありませんが、お金の余裕は心の余裕にも繋がってきます。
派遣のままだと、親戚の集まりなどで肩身の狭い思いをしたり、結婚に踏み切れなかったりするなど、経済的な理由からくる精神的な負担を感じる場面が増えてくるんですよね。
②契約更新が難しくなり雇用が不安定に
次に、「契約更新がされにくくなり、雇用が不安定になる」という点を説明していきます!
30代くらいまでは、比較的なにも問題なく契約が更新されることが普通。
それは、「若さ」という要素も大きいでしょう。
しかし、40代になってくると、状況が変わります。
- 職場にフレッシュな20代の若手が入ってくる
- 気づけば自分が「お局さん」なんて呼ばれる立場になっているかもしれない
- 経験が浅い年下の上司から指示を受ける場面が増える
こういった状況は、あなた自身がやりにくさを感じるだけでなく、周りの社員もあなたに対して「少し扱いにくいな」と感じさせてしまう可能性があるのです。
つまり、これまでと同じスキルや経験を持っていたとしても、年齢的な要因や職場の人間関係の変化によって、「扱いにくさ」や「前向きさの見えにくさ」がネックとなり、契約更新されにくい状況になってしまうのです。

以下の記事で「扱いにくい派遣の特徴」を解説しているので、不安のある方は確認ください。
関連記事:派遣社員の態度がでかい!扱いづらい人の特徴と対処法は?
③直接雇用も受け入れてくれなくなる
さらに、年齢を重ねると「派遣先での直接雇用(正社員登用)の道も閉ざされやすくなる」という現実もあります。
大体の派遣先は直接雇用に対して年齢制限を設けています。
特に、規模の大きな企業ほど、その傾向がはっきりと現れるんですよね。
私のこれまでの経験から見ても、派遣から直接雇用に切り替わるのは、やはり30代までが一つの目安になることが多いと感じます。
もちろん例外はありますが、40代になってくると、そもそも直接雇用の候補として検討される土台にすら乗れない、そんな厳しい状況になってしまう可能性も否定できません。
④40代になったら正社員転職は絶望的
そして、40代になってから正社員を目指そうとしても、「転職活動はかなり厳しい道のりになる」ことを覚悟しておく必要があるでしょう。

「でも、求人サイトを見ると『40代歓迎!』ってよく書いてあるよ?」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
確かに、求人情報だけを見れば、40代向けの募集も存在します。
しかし、考えてみてください。
同じ40代でも、30代まで派遣社員として働いてきた経験を持つ人と、正社員として管理職などの経験を積んできた人では、企業側がどちらを採用したいと考えるでしょうか。
派遣は、仕事中心ではない、自分らしい生き方ができることが魅力である一方、その働き方からなかなか抜け出せずにいると、いわゆる「派遣の末路」と呼ばれるような状況に陥ってしまう可能性があるのです。
一生派遣で働いていくことは可能!理由は3つ
ここまで、派遣で働き続けることの少し厳しい側面についてお話ししてきましたが、「じゃあ、派遣で一生働き続けるのは無理なの?」というと、決してそんなことはありません。
状況によっては、一生派遣社員として働いていくことも十分可能です!
その主な理由は、以下の3つです。
- 生活に困らない給料があるが、娯楽はできない
- 職種を選ばなければ仕事は豊富にある
- 無期雇用派遣という選択肢が増えた
それぞれ見ていきましょう。
関連記事:派遣社員で生きていけるのか?派遣として生きるための方法を解説
①生活に困らない給料があるが、娯楽はできない
まず、「贅沢はできなくても、生活していくのに困らない程度のお給料は得られる」という点。
そもそも、「バリバリ働いて高い給料をもらいたい!」というよりは、「高望みはせず、自分に合った仕事で、ストレス少なく働きたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私が派遣社員だった頃も、同じように感じていました。
それに、実際に派遣の営業担当として多くの方を見ていますが、50代になっても結婚して家庭を持ちながら、派遣社員として働いている方だっていますよ。
裕福な暮らしや、頻繁な娯楽を楽しむのは難しいかもしれませんが、日々の生活を送ることは十分に可能なのです。
正社員だって、もし精神的に参ってしまって働けなくなったら、元も子もありませんからね。自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
②職種を選ばなければ仕事は豊富にある
次に、「職種にこだわりすぎなければ、派遣の仕事はたくさんある」という点も、一生派遣で働くことが可能な理由の一つです。
近年、企業が派遣社員を受け入れる需要は、むしろ増えている傾向にあります。
ただし、年代によって求められる職種が変わってくることはあります。
例えば、20代から30代では販売業や一般事務、40代から50代ではコールセンターや介護職といった具合です。
「この仕事じゃなきゃイヤだ!」と自分の希望ばかりを主張するのではなく、年齢や状況に合わせて柔軟に仕事を選んでいく姿勢があれば、仕事が見つからないということはなくなるでしょう。

よく「仕事がない」と耳にしますが、それは「自分の希望にぴったり合う(楽にできる)仕事がない」という意味合いに近いのかもしれませんね。
③無期雇用派遣という選択肢が増えた

最後に、最近では「無期雇用派遣」という働き方の選択肢が増えたことも大きなポイントです。
無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めのない雇用契約を結び、派遣先で働く制度のことです。
無期雇用派遣って何?というかたは「無期雇用派遣が向いてる人の6つの共通点!派遣営業歴13年から導いた答え」の記事をごらんください。
これまでの派遣と違い、同じ派遣先で3年を超えて働くことができたり、派遣先がない期間でも給料が支払われたりするなど、より安定した働き方が可能になります。
派遣社員として同じ派遣会社で5年間継続して勤務すると、無期雇用への転換を申し込む権利が得られます。
または、最初から無期雇用派遣を前提とした求人に応募するという方法もありますよ。

派遣か正社員か?派遣のメリット比較
派遣として働くか、それとも正社員を目指すか、働き方で悩むことはありますよね。
派遣で働くことには、正社員とはちがった魅力があるんですよ。
ここでは、派遣の主なメリットを3つご紹介します。
- 残業が少なく自分の時間が確保できる
- 職場環境が合わなければ変更可能
- 正社員までの「つなぎ」として働くなら最適

もう少し派遣のメリットとデメリットを比較したい場合は、以下の記事がでより詳細に比較しています。
関連記事:派遣社員はデメリットしかない?そう感じたら少し損をしているかもしれません
残業が少なく自分の時間が確保できる
派遣の働き方を選ぶメリットとして、まずは「残業が少なく自分の時間が確保できる」点がありますね。
夜遅くまで働く正社員の方は多いものです。
それに、飲み会などのお付き合いで、プライベートな時間がなくなってしまうこともあります。
派遣の働き方に変えてみると、残業がぐっと減ることが多いんです。
実際に、「友人と気軽に食事に行けるようになった」「趣味のゲームを楽しむ時間が増えた」「夜更かしして動画を見ても、次の日に響きにくくなった」なんて声も聞きます。

自分の時間を大切にしたい人には、派遣という働き方があっている のではないでしょうか。
職場環境が合わなければ変更可能
働くうえで、職場の雰囲気ってとても大切ですよね。もし、どうしても合わない環境だったらどうしますか?
正社員の場合、つらい環境でもかんたんに辞めるわけにはいかず、我慢するか、思い切って退職するかの選択になりがちです。
でも、派遣なら、働きながら職場を変える「配属変更」という選択肢があるんです。
派遣社員が同じ派遣会社に籍をおきながら、別の企業へ異動できる大きなメリット。
- 「もう少し今の職場でがんばってほしいな」
- 「次の職場でも、すぐに辞めたいと言わないかな」
- 「今すぐの異動は調整がむずかしいな…」
なんて、派遣営業は思っていることも。

異動を希望する場合は、すくなくとも1か月以上の期間を見て、担当者へ相談してみるのがおすすめです。
正社員までの「つなぎ」として働くなら最適
次のステップへ進むまでの期間、「つなぎ」として派遣を選ぶのは、いい選択だと思ってます。
派遣の営業をしている私の経験からしても、転職活動中など、一時的に派遣で働きたいという方は本当に多いです。
多くの方は、3か月くらい派遣で働いて、次の職場へと移っていきます。
派遣の魅力は、「日払い」が利用できたり、「比較的気軽に辞めやすい」点にもあるでしょう。
それに、アルバイトと比べて時給が200円以上高いことがほとんど。それでいて、そこまでむずかしい仕事を任されることも少ない傾向です。

もし私が学生時代にもどるなら、アルバイトではなく派遣を選んでいたかもしれませんね。
関連記事:【決定版】転職までとりあえず派遣はありってほんと?派遣をつなぎとして活用した11のメリット
派遣の末路に関するよくある質問
派遣の末路に関するよくある質問について、以下の点を解説しますね!
【まとめ】派遣の末路に関するリアル
派遣社員の将来に関するポイント | 詳細 |
---|---|
考えられる末路 | 正社員登用、フリーランス転身、50代以降の仕事減少 |
40代・50代の現実 | 給与停滞、契約更新の不安定化、直接雇用の困難化、正社員転職の難易度上昇 |
生涯派遣の可能性 | 生活に困らない程度の収入(娯楽は制限)、職種を選ばなければ仕事あり、無期雇用派遣という選択肢 |
派遣のメリット | 残業が少なくプライベート時間確保、職場変更の容易さ、正社員への「つなぎ」としての活用 |
よくある質問への回答 | 40代でも仕事はある(職種による)、派遣切りリスク(スキル・勤務態度)、無期雇用派遣は安定性が増すが、給与・待遇は要確認 |
派遣社員の将来は、正社員登用やフリーランス化といったポジティブな道もあれば、年齢とともに雇用が不安定になるという側面もあります。
40代、50代になると給与が上がりにくく、契約更新や直接雇用のハードルが上がる傾向が見られます。
正社員への転職も難易度が上がります。
しかし、職種を選ばなければ仕事はあり、生活に困らない程度の収入を得て一生派遣で働くことも不可能ではありません。
無期雇用派遣という選択肢も安定性を高める要素です。
派遣のメリットである残業の少なさや職場変更の自由度を活かしつつ、将来の安定のためにスキルアップや正社員登用を視野に入れることが大切です。
自身のライフプランに合わせて、派遣という働き方を検討しましょう。