- こんな疑問を解決
- 20代で派遣はもったいないといわれるけどデメリットやメリットを知りたい
- もったいないと思っても、派遣を選ぶ人の理由は?
- 20代で派遣をしたら、その後はどうなるの?
20代で派遣社員になるのはもったいない、後悔するといった声が多く聞かれます。
私自身も24歳で派遣社員として勤務し始めましたが、当時は自分に向いている仕事なんてないと思っていました。当時を振り返ると本当に辛かったです。
しかし、派遣を選んでよかったと思っています。仕事での安定よりも、精神的な安定を手に入れたことが当時の私にとって何よりも大きかったです。
今では、派遣の営業として累計5,000名を超える転職希望者と接しています。
また、終身雇用が崩壊している今、雇用の安定を求めるのではなく、自分に合った仕事の仕方を選択することが一つの選択肢になってくるでしょう。
改めて、本記事では20代で派遣をするのはもったいないのか、を徹底的に解説します。
もったいないと言われる理由はもちろん、派遣で働いた後どうなるのかについても解説しますので、記事を読み終わった後は、自分の将来を考える一つの案がまとまることでしょう。
20代で派遣はもったいないといわれる理由
①:正社員転職がしやすい年齢だから
20代は将来の伸びしろがあり、各企業が最も欲しがる年齢です。だから20代は正社員採用が決まりやすいのです。
正社員で決まりやすい時期に派遣をすると、派遣での勤務期間が足かせとなり、年齢が上がった状態で正社員を目指さなければならなくなります。
だからもったいないと言われるのです。
例えば、あなたが24歳だとして、派遣で3年働いたとすると27歳になります。
24歳と27歳、採用されやすいのはどっち?と聞かれると、みんなが口を揃えて24歳と答えるでしょう。
②:雇用が安定しないから
派遣は安定性がないから。よく耳にしますよね。
たしかに、派遣は雇用が安定しません。同じ職場に3年までしかいられませんし、「派遣切り」という言葉もよく聞きます。
企業はやはり自社の正社員を守ります。ついでに言うと、派遣会社は自社の派遣社員を守ります。
しかし、派遣社員の特性上、派遣先があってこそ、仕事ができるのです。仕事場から切られてしまった後は、別の派遣先に行くこととなり、職場が安定しないんですね。
でも、自分の心に問いかけてみてほしいんです。「雇用の安定」か「メンタルの安定」か。
正社員では雇用の安定は取れます。派遣社員の方がメンタルは安定しやすいです。
③:30代になると正社員との収入に差が出るから
- 正社員:昇給あり
- 派遣社員:昇給なし
この違いが大きいですね。参考までに、20代と30代の正社員での年収の差は約70万変わります。
一方、派遣社員では20代も30代もそこまで大差がないんです。
正社員と派遣社員は入社当初では給料に差は感じられないものの、30代となり、役職もつくことで、大幅に年収が変わります。
30代の将来設計を考えるときに、派遣のままでいいのか?を考えるために、関連する記事を作成しました。参考にしてみてください。
④:年を重ねるごとに周りからの目が気になるから
年を重ねる度に周囲の目を気にするようになります。特に、同窓会や高校からの友人との関わりも徐々に少なくなってくることを実感するでしょう。
特に、親世代の年齢層は正社員こそ正義と思っている方が多いです。親からも「正社員で働きなよ」と私自身も言われました。
人は一般論をいってきます。
大事なことは一般論よりも、あなた自身の考えです。
⑤:どれだけ頑張っても役職がつかない
派遣の立ち位置上、どれだけ頑張っても役職がつきません。
結局働く場は派遣先になり、重要な判断を下すのは派遣先の正社員なんです。
派遣社員は下した判断を実行することが役割になるんですね。
役職をつけて管理側に回りたい方は、派遣は不向きです。
ここまで20代で派遣がもったいないと言われる理由を解説しました。改めてまとめると次の通りです。
- 正社員転職がしやすい年齢だから
- 雇用が安定しないから
- 30代になると正社員との収入に差が出るから
- 年を重ねるごとに周りからの目が気になるから
- どれだけ頑張っても役職がつかない
派遣で働くのはもったいない理由はわかったんですけど、デメリットしかないのかな?
いえ、もちろん派遣で働くメリットもあります。メリットがあるから派遣を選んでいる人もいるのです。次の章で解説しますね。
20代で派遣はもったいないはほんと?メリットもある
日払いを利用して即金性がある
ほぼすべての派遣会社で日払いを利用できます。
※無期雇用派遣の場合は日払いの利用はできませんので注意が必要です。
会社によって金額はさまざまですが、1日あたり5,000円まで申請できる会社が多いでしょう。
参考までに、世界シェアNo.1のランスタッドでも1日あたり5,000円まで申請が可能です。
正社員や契約社員の勤務の場合、「月末締め翌15日支払い」になる会社もあります。
例えば、あなたが2月1日に入社したとしても、3月15日まで無給の状態になる可能性があります。
その点、日払い申請ができる派遣会社であれば、生活が苦しくなる心配は軽減されます。
実際に、日払い目的で派遣に登録する方も多いですよ。全体の3~4割の方は利用している印象
仕事でのストレスが正社員と比べて少ない
派遣社員と正社員と比べて業務の範囲が決まっています。
事前に会社同士で業務内容を決めておき、やってもらう業務内容が契約書に書かれています。
正社員のときは、重要な判断や責任がありましたが、派遣社員になってから責任が軽くなり、仕事に自信が持てるようになったという声も絶えません。
正社員から派遣社員になってよかった理由は「正社員から派遣になってよかった?後悔しないためのノウハウ解説」で詳しく解説しています。
高時給・好条件で採用されやすい
派遣の大きなメリットは次の通りです。
- バイトと比べて平均時給が300円以上高い
- ライフプランに合わせて勤務条件を決められる
- 転勤や部署異動なし
- 時短勤務もできる
正社員の場合、部署異動や残業が断れない場合も多いと思います。しかし、派遣社員は万が一残業になっても全額支給されますし、無理な条件変更はすべて派遣会社が壁になって仲介してくれるんです。
派遣社員の居心地の良さから、派遣から抜けられなくなる可能性もありますので、その点は注意しましょう。
学歴関係なく大手企業で働ける
大手企業は今も昔も学歴が大事です。しかし、派遣に学歴は必要ありません。見られるのは人柄とスキル(今後の成長)だからです。
たしかに、正社員よりは雇用が安定しないデメリットはありますが、大手企業は福利厚生や法律に順守していることもあり、心が安定した勤務ができるでしょう。
また次の章につながりますが、派遣から正社員を目指すことも出来るため、大手企業の正社員も夢ではありません。
派遣から正社員を目指せる
派遣から正社員を目指すこともできます。将来、大手企業の直接雇用を目指してみるのもいいかもしれませんよ。
派遣から始めるメリットとして、事前にその職場を知ることができるため、正社員後に失敗しにくいのです。
派遣から正社員になれる確率は30%未満ですが、そのほとんどは本人が断っていることや、正社員以外の雇用形態になることがあるためです。
派遣から正社員を目指す方は「派遣から正社員になれる確率は26%?方法5つの確率を解説」をチェックしてみましょう。
20代で派遣をしている人の割合は?
次の3つの視点から、20代の派遣についての割合を解説します。
- 仕事をしている人の中でみた派遣社員の割合
- 派遣社員の中でみた年齢層の割合
- 男女別にみた派遣の仕事ランキング
今回の統計は厚生労働省が出している「令和元年国民生活基礎調査」を元に解説していきます。
20代で仕事をしている人の中でみた派遣社員の割合
2.13%でした。
少なくない?と思われた方も多いでしょう。内訳を見てみましょう。
人数 | 割合 | |
---|---|---|
全体人数 | 7,288名 | 100% |
正社員 | 5,176名 | 71% |
アルバイト・パート | 1,434名 | 20% |
契約社員 | 334名 | 4.6% |
派遣社員 | 155名 | 2.1% |
20歳から29歳までの仕事をしている方「7,288名」のうち2,041名が非正規雇用です。そのうち派遣社員は何と155名でした。
別の統計データをみても、派遣社員の割合は同様の結果です。
派遣社員と契約社員の比率は似ているところがありますね。私の持論ですが、契約社員よりは派遣社員になったほうがメリットは大きいと感じています。
派遣社員の中でみた年齢層の割合
次は全体の2.13%の派遣社員の中での年齢層の違いをみてみましょう。
年代 | 割合 | 人数(総計1,150名) |
---|---|---|
10代 | 0.6% | 7名 |
20代 | 13.4% | 155名 |
30代 | 20.3% | 235名 |
40代 | 26.6% | 307名 |
50代 | 20.7% | 239名 |
60歳以上 | 18.4% | 212名 |
最も多いのは40代です。意外でしたか?20代で派遣社員をされている方は全体年齢の中でも最も低いんです。
統計結果からも、20代に最も選ばれない雇用形態と言ってもいいでしょう。
20代がなぜこんなにも少ないのか?理由は次の通りです。
- 派遣社員は3年経過で企業の直接雇用のチャンスがある
- 派遣社員は5年経過で無期雇用になる
- 派遣社員で仕事に自信をつけて転職する→つまり転職までのつなぎとして活用
ある意味ずっと派遣でいられる方が難しいのです。実際のところ、20代での派遣応募は多いです。しかし3年以上続く派遣社員はそのうちの1割程です。
男女別にみた派遣の仕事ランキング
女性では圧倒的に事務職が多いですね。男女共に製造関連が多いですが、製造関連はスキルが身に付きにくい職であるため、おすすめはしていません。
一般的な話として、派遣=製造職と思われる方も一定数います。しかし、派遣の仕事は幅広く、専門性の高いエンジニアの派遣も存在します。
30代で正社員よりも高い年収のある方も珍しくありません。派遣をひとくくりにして「もったいない」というのは乱暴かもしれませんね。
事務職について
事務職は全職種の中でも採用難易度が高い職種です。正社員で事務職を目指してもなかなか採用されないでしょう。
だからこそ、事務職を狙う際は、派遣会社を利用する方が多いんですね。派遣で事務職を経験してから事務職に転職するといった流れ。
20代で派遣は嫌だけど、事務職を狙いたい方は無期雇用派遣がおすすめです。
企業の直接採用を目的としたファンタブル(funtable)など、派遣の働き方やサポートを利用しながら大手企業の直接採用を狙えます。
まだ認知がそこまでされていない今だからこそ狙い目です。
\ 事務職に特化した無期雇用派遣のランキング /
無期雇用派遣の仕組みやボーナス事情についても詳しく解説してます♪
もったいないとわかってるのに派遣を選ぶ人とは?
一般論では20代で派遣はもったいないといわれながらも、派遣で働く方も多いです。
実際に私も今までの派遣営業の中でも5,000名を超える転職希望者と接してきました。その中でも派遣でしか働けない人とも何人とも接っしています。
どういう方が派遣を選ぶのか、経験から導き出した統計でお伝えします。
- 正社員の面接に疲れた
- すぐにでも手軽に稼ぎたい
- 働くことに怖さを感じている
正社員の面接に疲れた
正社員の面接を受けられた方も多いでしょう。なかなか決まらずにいると凹みます。
自分はもうダメなんじゃないかと思ってしまいますよね。
転職活動中はお金の出費とメンタルの戦いになります。日に日に生活費で貯金が無くなっていくプレッシャーも抱えながら転職活動をしますからね。
派遣で働き、日払いを利用することで少なくともお金の心配は軽減されます。
つまり、転職活動に専念できる状態を作り出すことができるのです。
自分のやりたいことがよく分からない
自分には何が向いているのか、ましてや事務職も接客業もなにもかも向いていないと思う方の応募も多いです。
やりたいことがないから、とりあえず働けるところを探して派遣に登録されるんです。
派遣は未経験でも受け入れ可能な企業を揃えているため、未経験でも仕事を通じてやりたい仕事が見つかり、転職される方も多いもの。
応援したくなります。
もし、あなたがどんな仕事も向いていないと考えている場合、仕事の2つのスキルの考え方が分けられていない可能性があります。『事務も接客も向いてないと感じていた私へ伝えたい6つのコツ』で詳しく解説しています。
働くことに怖さを感じている
前職では相当ひどい目にあったかもしれません。人をモノのように扱い、まともに取り扱ってくれない。私も1社目はそういう状況でした。
精神的にも参ってしまっている方の、心のオアシスになるのが派遣会社です。
派遣会社は人が商品です。だからこそ、一般企業以上にカウンセリングやスキルアップの場があるんですね。
今までの勤務経験の中で、働くことに怖さを感じている方は、派遣の働き方から働く自信をつけて、再度正社員を目指してみることも一つですよ。
ここまでは派遣で働く20代の事情をお伝えしました。派遣で働くことは恥ずかしいことではありません。一歩踏み出せる方が次に進めるのです。
派遣会社の特徴や取り扱っている仕事を見てみたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
\ 大手6社の求人数や特徴を比較 /
20代で派遣で働いた後はどうなるの?後悔する?
何度もお伝えしますが、派遣は同じ職場に3年までしか働けないので注意が必要です。
ここからは、派遣で働いた後、みんながどうなっているのかを見ていきましょう。
- 働いた後の3パターン
- 未経験の分野でスキルアップし正社員に転職
- 派遣先の直接雇用を目指す
- 無期雇用派遣として派遣会社の正社員になる
それぞれ解説します。
未経験の分野でスキルアップし正社員に転職
派遣での仕事は未経験でも受け入れ可能がたくさんあります。
例えば、あなたが事務職を狙っているのなら、派遣社員で事務職をしていた経験を活かし、事務職でキャリアアップしていくことだってできます。
特に派遣社員は採用難易度が低いため、雇用は安定しないものの、経験を積むのにはうってつけなんですね。
また、派遣は3年までしか同じ職場で働けないことを利用し、3年で円満退職。その後転職とされる方もいますよ。
派遣先の直接雇用を目指す
上述でも解説しましたが、派遣として入社し、派遣先企業の直接雇用をされる方もいます。
気をつけてほしいのが、絶対に正社員になれるわけではないということ。
中には、契約社員やアルバイトからというパターンもありますのでご注意ください。
将来直接雇用を狙うのなら、「紹介予定派遣」で入社するといいでしょう。
あまり知られていない派遣の方法ですが、利用者満足度が高く、知っておいて損のない方法です。
詳しくは「紹介予定派遣やめたほうがいい5つの理由!なぜ多くの人が失敗する?」で解説します。
無期雇用派遣として派遣会社の正社員になる
3つ目の方法は、無期雇用派遣として派遣の働き方を続けることです。
無期雇用派遣には2種類あります。
- 正社員型無期雇用派遣
- 登録型無期雇用派遣
無期雇用派遣は勤務地を選べないデメリットはあるものの、未経験で事務職を狙う方にとっては恩恵が多いです。
無期雇用派遣の仕組みや事務職におすすめの無期雇用派遣は以下の記事で解説しています。
\ 事務職に特化した無期雇用派遣のランキング /
無期雇用派遣の面接対策
無期雇用派遣の向き不向きチェック
無期雇用派遣の仕組みや給料事情
無期雇用派遣を辞めたい人の声
派遣によくある質問
【まとめ】20代で派遣はもったいないとは思えない
この記事では20代で派遣はもったいないのか?について、解説しました。
最後に記事の要点をまとめます。
20代での派遣社員の比率は全体の2.13%です。比率は圧倒的に少ないのです。だからこそ一般的には認められない働き方になっているのかもしれませんね。
しかし、仕事をしているのは一般論を言っている人ではなく、あなた自身です。
派遣はメリットもあります。デメリットと併せてメリットを知ることで、将来を考える知識を増やしてみてください。
このブログでは派遣社員に役立つ発信をしていますので、ぜひ以下の記事も合わせて読んでみてください。
それでは、この記事はこれにて以上となります。